ボーカロイドで国際交流!
マンションの前の遊歩道の桜が満開です。あいにくの雨でかなり散ってしまいましたが、地面に降った桜色と、樹上の桜色が、景色を春色に染めています。
それにしても、夕べから寒いこと。花冷えですね。熱い紅茶で、身体をあたためています。茶葉はフォションの「Sakura Tea」。桜がほんのり香り立ち、この季節にぴったりです。
さて、またまたボーカロイドの話題です。
日本のボーカロイドマスターが「ニコニコ動画」にUPしたオリジナル曲に、台湾の高校生が手書きイラストでプロモーションビデオをつくりました。
日本語の歌詞がよく理解されたイラスト、日本人には出せない「赤」のセンス、絵柄のかわいらしさ、ほどよく混ぜられたマニアックなボーカロイド設定、そしてさり気ない日本人への心づかいに、発表と同時に人気急上昇! 思わぬところで、日台友好の輪が広がっています。
今回は、そのグライダー絵師氏の3つの作品をご紹介。各P氏による曲もとってもステキなので、ぜひ聴いてみてください。
トラボルタP氏によるボーカロイドオリジナル曲。歌詞のテーマは「ロボットに生まれた心」と「生み出してくれて、ありがとう」。ストーリーがあり、最後の英文で完結します。「ココロ」は、やはり人造物には重いものなのでしょうか。
YouTube 「【鏡音リン】Kokoro【手書きPV】」↓
ニコニコ動画「【鏡音リン】ココロ【手書きPV】」↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2671676
DixieFlatline氏によるボーカロイドオリジナル曲。双子の思いを、星座の「ジェミニ(ふたご座)」に託して。でも恋人同士の歌と解釈しても、ステキですv とてもとてもかわいい曲です。
YouTube「【鏡音リン・レン】ジェミニ【手書きPV】」↓
ニコニコ動画「【鏡音リン・レン】ジェミニ【手書きPV】」↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2828416
こちらは、以前に「神曲」として紹介しました、平沢進の原曲をぶっちぎりP氏がKAITOでカバーした「白虎野の娘」のPV。曲のポイントになっている「花」と「炎」の扱いに感嘆します。兄さんもかわいいですv
YouTube「【KAITO】パプリカED「白虎野の娘」【手書きPV】」↓
ニコニコ動画「【KAITO】パプリカED「白虎野の娘」【手書きPV】」↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2509360
それにしても、ボーカロイド周辺の作品づくりっておもしろいですね。
まず、ボーカロイドの持ち主(マスター)がボーカロイドに歌わせた曲をつくります。それを「ニコニコ動画」にアップロードする際、絵を描いたり、写真などを利用したりして、動画を自作するマスターもいます。でも、ほとんどが、「ピアプロ」というクリプトン・フューチャー・メディアが主催しているサイトへ行き、そこに掲載されている、アマチュアやプロのイラストレーターが描いたイラストから気に入ったものを借りて、動画をつくり、アップロードしているんですね。
イラストを借りたら、動画内やコメントで描き手の名前を紹介。同時に、「ピアプロ」にあるイラストレーターのページに「イラスト、お借りしました。ありがとうございました」とメッセージを入れます(義務ではありませんが、推奨されています)。
動画は、特に「見た目」が大事。ずらっと並ぶ動画のなかから自分の作品を選んでクリックしてもらうためには、サムネールの画像を慎重につくらなくてはなりません。「ピアプロ」ができる前は、曲は書けても、絵が描けないマスターたちはずいぶん苦労したようです。
現在、マスターと「ピアプロ」のイラストレーターの間には互助的な関係ができあがってるんですね。イラストレーターにとっても、自分の絵を動画に使ってもらうことは喜びであり、実力を量れたり、また名前を広く知ってもらう機会にもなりますから。
さらに、そうしてUPされた動画に感動したイラストレーターが、曲のイメージでイラストを描き、「ピアプロ」に掲載。それらを組み合わせて、その曲のプロモーションビデオをつくるPV職人もいます。あるいは、イラストレーターが、自分の絵でPVをつくっちゃうことも。
台湾のグライダー絵師氏は、自分でイラストを描いてプロモーションビデオをつくったパターンです。
こんなふうに自然に、自分たちの得意分野を活かしたコラボレート作品が次々生まれていること。これは、注目すべき現象ではないではないでしょうか。
たとえば文学界では、同人も含めて作家と挿絵などを描くイラストレーターのコラボは普通にありますが、音楽家とイラストレーターのコラボなんて、プロの歌手や演奏家のPVやCDなどのジャケットくらいで、今まであまりなかったような気がします。
おもしろいことになっているなあと思い、これからどう発展していくのか、ワクワクしています。
ついでに、「東京国際アニメフェア2008」における、ボーカロイドの開発元、クリプトン・フューチャー・メディアのシンポジウムの記事も張っておきます。
ITmedia News「『出口がない』『権利者は誰』──初音ミク2次創作の課題」↓
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0803/27/news128.html
VOCALOID2 KAGAMINE RIN/LEN act2
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