Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

幻の連載!? 第1回「少女マンガ」メモリアルコレクション<0>

 半分は仕事、半分は趣味のようなかたちで寄稿していた「Yahoo!セカンドライフ」というサービスが、2009年12月24日に終了しました。
 これは、「セカンドライフ」という名が示すとおり、中高年層に向けて「ファイナンス(投資・保険)」「ヘルス」「旅行」「料理」などの項目で、各分野のプロが指南するというもの。「All About」の原稿依頼形式版と言えばわかりやすいでしょうか。


 私は「趣味」の項目のなかで、「(少女マンガを読んだことがない)中高年層に少女マンガのおもしろさを語る」というコンセプトの原稿を依頼されていました。現在の流行を追うより、普遍的な名作を紹介してほしいということで、「24年組」なのはそのためです。
 それまでマンガは娯楽としてのほほんと読んできたので、「マンガを知らない人にこのおもしろさを伝えるにはどう書いたらいいんだろう」と、毎回、試行錯誤の原稿書き。しかし、連載4回にして「セカンドライフ」の運用システムが変更されたんですね。
 担当の方から「こういう分野のテキストは望まれているので、書けるときでいいのでこれからも続けてください」と言っていただいたのですが、趣味オンリーで書くには負担が大きすぎるので、それきりになってしまいました。

 サービス終了に伴い、記事データが戻ってきましたので、この「幻の連載(笑)」をお見せしましょう。って、たいしたものでもありませんが……。



「少女マンガ」メモリアルコレクション<0>
掲載日:2006年12月5日 テーマ:読書、マンガ


「『マンガ』を読まれたことはありますか?」

現在、雑誌やコミックで読まれています「ストーリーマンガ」。これ、1950年代に手塚治虫によって確立されたものであること、ご存じでしたか?  それまでは、マンガといえば、新聞にあるような政治風刺の1コマ漫画や『のらくろ』のようなコマ漫画のことでした。そこにダイナミックなストーリー展開と大コマ小コマを駆使したスペクタクルな画面構成を持ち込んだのが、手塚治虫。その先鋭さに衝撃を受けた藤子不二雄石森章太郎石ノ森章太郎)、松本零士ら後進のマンガ家たちが手法を継承し、「ストーリーマンガ」はやがて日本のマンガのメインストリームとして定着しました。
さて、1970年代まで、少年向け、少女向けを問わず、マンガは男性マンガ家が描き、男性編集者が編集していました。当時の「少女マンガ」は、男性の視点でつくられた、女性が主人公の古典的なラブストーリー一辺倒だったのです。


女性による女性のための「少女マンガ」の誕生

そんな「少女マンガ」に革命をもたらしたのが、女性のストーリーマンガ家の登場でした。
竹宮惠子萩尾望都が同居する東京都練馬区大泉のアパートを拠点として、共同生活を送りながら制作にいそしむ新進気鋭の少女マンガ家たちは、池田理代子 (1947年生まれ、1967年デビュー)、大島弓子(1947年生まれ、1968年デビュー)、山岸凉子(1947年生まれ、1969年デビュー)、青池保子(1948年生まれ、1963年デビュー)、木原敏江(1948年生まれ、1969年デビュー)、樹村みのり(1949年生まれ、1964年デビュー)、萩尾望都(1949年生まれ、1969年デビュー)、山田ミネコ(1949年生まれ、1971年雑誌デビュー)、竹宮惠子(1950年生まれ、 1968年デビュー)、ささやななえ(1950年生まれ、1969年デビュー)、増山法恵(マンガ家ではないが、マンガ原作など、竹宮惠子との共作が多い)。そろって1949(昭和24)年前後の生まれだったことから、後に“花の24年組”と呼ばれるようになります。
彼女たちが描くマンガは必ずしも少女が主人公ではなく、少年だったり、青年だったり、人外の者だったり、奔放。物語にはSFやファンタジー、歴史などの要素が加わり、舞台は日本から外国へ、宇宙へ、架空世界へ。画面もまた、キャラクターの顔のアップに花が乱舞するような、華やかかつ複雑なものになりました。彼女たちは若い感性と独創的なアイデアで、「少女マンガ」の世界を広げていったのです。


今だから読みたい“24年組”の作品

「少女マンガ」を読みたいと思った時期に、「マンガなんて」と親に眉をひそめられませんでしたか? 当時、読めなかったあなた。あるいは「少女マンガ」の存在を知らずにいたあなた。いかがでしょう、同世代の女性マンガ家が、20代、30代にどんな物語を紡ぎだしていたか、興味はございませんか? まずは名作と呼ばれる“24年組”の作品から、旬のトピックスも交えながら「少女マンガ」をご紹介していこうと思います。

 「1970年代まで」じゃなくて、「1960年代まで」ですね orz。


変奏曲 vol.1 (1)

変奏曲 vol.1 (1)