Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

今さら発見することだってある

 森鴎外の『ヰタ・セクスアリス』って、「ウィータ・セクスアリス」のことか!?と、齢「平均寿命の半分」にして、ようやく気づきました。
 いや、ずっと「イタ・セクスアリス」って読んでたもので(ウヰスキーウイスキーと読む感覚ね)、ラテン語の「vita sexualis」なんて思いつきもしませんでした。あほですか。あほかもしれません。


 「vita」は「aqua vitae」(アクア・ウィータエ=「命の水」=すなわち「酒」のことだ)などでよく聞かれるとおり、「生命、人生、生活」を意味します(「vitae」は「vita」の女性形。「aqua」が女性名詞なので変化しちゃうのだ)。
 フランス語の「la vie en rose」(ラ・ヴィ・アン・ローズ=「薔薇色の人生」)の「vie」なんかも「vita」から来た単語なんザンス。意味も同じね。


 で、まあ、教科書で森鴎外を知ってから数十年、ようやく『ヰタ・セクスアリス』が、鴎外センセの造語じゃなくて(や、マジにそう思ってました)、既存している言葉だったと知った、この衝撃!
 うん、世の中にはまだまだ未知の部分があるよね。「Space, the final frontier.」だよねっ(<意味なし)。


 昔の人の奥ゆかしい表音習慣には参るぜ!(なぜ「ウィ」が「ヰ」になる。いや、半母音でいちばん「vi」の発音に近いのは、日本語で「wi」である「ヰ」っつうのはわかるのだが! せめて「ウヰタ・セクスアリス」と……なんか違う作品になりそうだ orz)。
 英語でいえば、「セクシャル・ライフ」……ミもフタもねえですが、現代ならそこここに氾濫している言葉ですな。


 悔しいので、ウンチクひとつ。
 「ウイスキー」の語源は、ゲール語の「uisce beatha」に由来します。これって、「ウィシュケ・バーハ(ish keh ba ha)」と読んで「命の水」という意味なんですね。「uisce」が水、「beatha」が命(ゲール語はよくからんですが)。
 人間の考えることなんて、何処も同じ。案外、世界って狭いものです。ふふん。