Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

幸せのトマトv

 土曜日でも郵便窓口が開いている郵便局まで出かけました。と書けば、大層らしいですが、いつも使っている郵便局は駅の傍にあるので仕事の行き帰りに寄るのに便利というだけで、直線距離でいえば、2つの郵便局は自宅からほぼ等距離にあります。


 帰り道、郵便局の近くにあるスーパーに寄りました。
 地階に降りるなり、目に入ってきたのはエスカレーターの降り口に積まれたダンボールの小箱! 「秋田産トマト6個入り小箱 1箱350円 先着50名様(お一人様1箱限り)」の赤札付き!! 見れば、小箱の中にはツヤツヤした赤い大玉トマトが6つも入っているのではありませんか!
 12:00過ぎにもかかわらず、まだ30箱ほど積まれています。「ラッキー!」とばかりに、1箱GET! トマトは中玉くらいでまだ1個80円くらいするんですよね。大玉だと100円から120円くらい。それが6個350円なんて、すんごいお得だ! この際、リコピン大量摂取だ! ついでに、トマトは大好物だ!!
 買い物カゴを持つなり大玉トマト6個を確保し、その後は買い物メモどおり、お茶の2リットルペットボトルやパック牛乳、冷や奴用豆腐、ざるうどんの麺、昼ご飯の総菜等々を買い込みました。
 連日の炎天下です。今日も太陽燦々、ムシッと重量感のある暑さです。で、上記の荷物です。……帰る途中、行き倒れるかと思った。


 このスーパー、自動車や自転車で来る人が多いのですよ。おかげでちょっと郊外型の性質をもっていて、ドリンクの2リットルボトルとか、ビールの6缶パックとか、米5キロとかがわりとお安い。牛乳の1000ml(1リットル)パックが「本日限り148円」で、つい手がでちゃったりするのです(牛乳は安いところで157円。メーカーものだと208円くらい)。

 最近、肉加工食品に不正な混ぜ物をして販売し、摘発された業者がありました。その社長のいわくに「消費者が安いものを求めるから」(正確には「半額セールで喜んで買う消費者にも問題がある」でしたっけ)という言葉がありましたが、確かに同じような商品が並んでいれば、安いものを選んでしまいます。
 価格競争の原因をつくっている「安物買い」な私が言うべきことではないのかもしれませんが。それでも、「安物買い」の前提には、最低限、食品としての安全性と質が保証されているという信頼があるのですけどね。


 やはり最近、ニュースで、輸入された乳牛の肉に脂肪を注入し、みごとなサーロインステーキ用霜降り肉にするという機械(というか、ビジネス)を紹介しているのを見ました。外食産業から「安くて美味しいステーキ肉」を求められて、考案されたとか。
 「安い」はさておき、「美味しさ」までもが操作されているだな、としみじみ感じます。本当に「自然」なものは、実は調味料や添加物慣れしてしまっている舌には「美味しい」と感じられないらしいんですよね。


 そういえば、まだ子どもだったころ、「子どもは高級菓子よりスナック菓子を美味しそうに食べる」と、祖母によく笑われました。当時、スナック菓子は今ほど種類がなかったうえに、祖母の躾の一環で滅多に食べられなかったので、「珍しい味」というのもあったかと思うのですが、基本的に子どもは「わかりやすい味」が好きだと思うのですよね。
 「すはまだんご」を「味がない」と言ったら、「安い舌」だと笑うような祖母でした。ええ、今では「すはまだんご」、好きですけどね!

 でも、そんな祖母のおかげで、味覚はずいぶん鍛えられたと思います。毎日、明石浜に上がったピチピチの魚を、最低限の調味料で薄味に仕立てたおかず。信頼できる個人商店から購入した肉や卵を使ったおかず。ソースやケチャップが必要な料理は滅多につくらず、使う調味料は砂糖・塩・しょうゆ・みりん・酒がほとんど。すべて、やはり長いおつきあいの酒屋さんなどで購入したもの。米は出入りの米屋さん、豆腐や揚げも自転車で回ってくるお豆腐屋さんから。
 「美味しい」「不味い」より以前に、祖母が長いおつき合いのなかで選んだ商店から必要なものを必要なだけ購入して、毎日つくってくれた食事は、自然に「味」の記憶を身体に刻んでくれたと思います。


 今は、私が育った当時とは生活様式が違いますし、私自身、適当な食生活を誇っていますので、偉そうなことは言えません。でも、できることなら、子どもが大人になったとき、自然天然のものを食べたときに「味がない」と思ってしまわないように……。そして、それを「美味しいものだ」と子どもたちに教えてやれるくらいの味覚は守っていたいなと思うこのごろです。