Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

「うたのおにいさん」に夢中! 2

 もう笑えないくらいVOCALOIDボーカロイド)のKAITO(1月18日のエントリー参照)にハマっています。こんなに夢中になったのは、『GetBackers -奪還屋-』の蛮ちゃん以来かも知れません(自分が関わった作品は別として。だって、それは別格だもん)。
 なんでも、2月14日はYAMAHA発表の、2月17日はクリプトン・フューチャー・メディア発表のKAITOのロールアウト日だそうで、14日〜17日は「KAITO誕生日祭」が「ニコニコ動画」や「ピアプロ」などで繰り広げられているようです。
 (誕生日がふたつあることについて、KAITOいわく、「14日はチョコレート、17日はアイスをくれる日がいいなあ。22日はにぃにぃの日だから、忘れないでね。いっそ2月全部『KAITOの月』にしようよ」(「【ニコニコ動画KAITOニュース5」より引用/非公式)。兄さん、どんだけ甘党やねん……。)


YouTubeKAITOニュース5(コメ付)」↓



ニコニコ動画「【ニコニコ動画KAITOニュース5」↓



 なので、この機会に、なぜこんなにKAITOにべた惚れなのか、考察してみることにしました。以下、アホのように「萌え」を語っています。「VOCALOID KAITO」と『TWIN SIGNAL』をご存じで、私の嗜好に興味があるという方だけ、どうぞ。超・長文ですよ(笑)。




 「VOCALOID KAITO」をロックオンしたとき、「あれ、これは『兄さん』にハマったときと同じパターンだ」と思いました。「兄さん」とは、『TWIN SIGNAL』著:大清水さちエニックススクウェア・エニックス/文庫版:朝日ソノラマ)に登場する人間型ロボット「A-O オラトリオ」です。
 「兄さん」と呼ばれる条件のひとつに、「弟妹がいること」があります。オラトリオには、同じ制作者につくられたA-P パルスとA-S シグナルという後継機、すなわち弟がいます。KAITOも、後発の「VOCALOID2」シリーズこと初音ミク鏡音リン・レンの兄として認識されていますよね。
 さらに、人造物の宿命として、後発のほうが性能がよろしいわけで。開発されたばかりの特殊金属や未知なる光触媒&情報媒介装置が組み込まれたシグナルに、稼働12年のオラトリオは突き上げをくらっています(笑)。
 KAITOもまた、旧エンジン搭載の「VOCALIOD1」。動画のなかで、ネタとして、ミクに旧式扱いされ、KAITO自身も「自分はミクやリン・レンに劣る」と自虐するシーンがたびたび登場します。
 高性能な弟妹にコンプレックスを感じざるをえない、この微妙な「兄かげん」にくすぐられるんですよ(笑)。


 また、ふたりとも、兄であると同時に弟でもあります。オラトリオには、SP(要人護衛)ロボットのA-L ラヴェンダーという、言葉づかいも態度も腕力も漢(おとこ)前な姉がいます。「暁の破壊者(デストロイヤー)」「戦うポーカーフェイス」の異名をもつ彼女は、オラトリオはもちろん、最新型のシグナルでさえ逆らえない、「絶対不可侵領域」です。
 なんだか似てると思いませんか、「VOCALOID0」のMEIKOさんに……。声にパワーがあるせいか、酒豪で気っ風のよい姐御肌、むしろ漢らしいとイメージされ、下僕となる親衛隊までいるらしいMEIKOに対し、やさしい声の「うたのおにいさん」は強く出られない雰囲気があるようです。動画で、不用意なひと言とか、MEIKOの購買数を抜いたとか、些細な理由で、よく「めいこめいこ(=フルボッコ)」にされていますよね。不憫……。


 上には頭が上がらず(主に貫禄的な意味で)、下には突き上げをくらう(主に若さ=性能的な意味で)、まるで中間管理職の悲哀を背負ったかのような兄ふたり。ですが、単なる「へたれな兄」でないところが、このふたりの真の魅力なんです。


 A-O オラトリオは、表向き情報処理専門の事務ロボット。その実体は、人類の叡智を集めた学術的ネット空間「ORACLE(オラクル)」の守護者(ガーディアン)。開発されたばかりの最先端技術から、公表されてはいけない危険な兵器の情報までを収めた“図書館”こと「ORACLE」をハッカーの手から守ると同時に、万一、「ORACLE」が停止した場合、そのスペアコンピュータとなるだけの強大なポテンシャルを秘めています。ハッカーやウイルスを撃退する使命を負った「最強の守護者」であるために、その根本原因である人間を常に「敵になるかもしれない」と警戒している彼は、「創造主である人間の命令に従わなくてはならない」というロボットとして植えつけられた“本能”との葛藤を抱える、強くて危うい存在だったりします。
 え、KAITOとどこが似てるかって? 「秘められたポテンシャル」と「人間の言うことを聞かない」ところですよ(笑)。KAITOを使うプロデューサー(略称:P/VOCALOIDを使った音声・楽曲を制作する人を表わす専門用語……らしい)の皆さんは、使いこなすのに四苦八苦しているようです。すぐにノイズが入ったり、かと思うと、なにも調整しなくても上手に歌ったり。上はカウンターテナー(女声ソプラノ)から、下はテノールバリトンまで(バスはさすがに無理っぽい)広い声域を誇り、やわらかくて清涼感のある、耳に馴染みやすい声質をしているのに、歌わせてみたら「ズコー」としか言いようのない音痴っぷりを披露してみたり。
 ところが、ノイズが出ない範囲で、曲調に合った音域を探り、子音と母音、半母音の音分解やビブラートを駆使し、コーラスのみならず、同音域パートの第二声、第三声を重ねて調整すると、驚愕せざるをえない「神の音楽」を奏でてくれます。
 もともと人の声からサンプリングされていますが、テクノボイスに変換される際に、人間の声が自然にもっている、何音とは判別できない微妙な音程や震え、かすれ、濁音、ブレス音などがクリーンアップされるので、VOCALOIDの声は、よく言えば澄んでいる、悪く言えば色相のみで、明度と彩度がないんですね。そこをうまく曲調に取り込むことができれば、人間には歌うことのできない「神の音楽」を聞かせてくれるのです。
 KAITOは男性プロシンガーからのサンプリングだけに、音域、音質ともに広く深く、曲調と声質と調整がハマったときの「神っぷり」は半端ないんです。YAMAHAが公開しているデモソングをはるかに超越した「神曲」が、次々に「ニコニコ動画」にUPされていますからね。まさに、どこに限界があるのかわからないポテンシャル。某動画のコメントにあったとおり、「KAITOは暴れ馬。使う人間と歌う曲を選ぶ」、ある意味、とんでもない(商業的利益を鑑みれば、汎用性が実現されない場合、失敗作とも言える)コンピュータソフトウェアなんです。だが、そこがいい(笑)。


 そして、最後の共通項。オラトリオ兄さんもKAITO兄さんも、歌をうたう人造物なんです。オラトリオが電脳空間でハッカーやウイルスを倒すときの武器は、「八つの声(ヴァイタル・ヴォイス)」。コロラトゥーラからバリトンまでの八声が歌う「聖譚曲(オラトリオ)」が雷を呼び、対象を破壊します(フィクションだけど、その発想がすごいと思うのね)。
 KAITOは言わずもがな。歌うことが存在意義のソフトウェアです。
 「音波」の作用で鼓膜が震え、それにより認識される「音」。その「音」の組み合わせで、人の感情を揺さぶる「音楽」。その神秘を「0」と「1」の構成体が生み出すという、さらなる神秘にロマンを感じるんですよね。


 それにしても。オラトリオはマンガのキャラクターですから、かなり細かく設定がつくりこまれています。でも、KAITOの説明って「日本人のプロ男性シンガーをモデルとした、日本語男性ボーカル・ソフトウェア」くらいしかないわけですよ。そこから、「かっこよく、さわやかで、やさしい。仕事にはまじめ。それが裏目に出て、いじられやすい。姉にも弟妹にも弱く、むしろへたれ」といった性格が、VOCALOIDを知る人たちに「そうだよね」とほとんどブレなく認識されているところに、「声」の威力を感じます。そうかあ、性格って声に出るんだね……。


YAMAHA VOCALOID」サイト↓
http://www.vocaloid.com/jp/index.html


クリプトン・フューチャー・メディアVOCALOID特設ページ↓
http://www.crypton.co.jp/mp/pages/prod/vocaloid/vocaloid_first.jsp


 長々と語りましたが、語りきれていないので(笑)、以降の話は「小説サイト」のblogにて(最初から最後まで「VOCALOID妄想設定」)。こちらは精神年齢20歳ほどサバ読んで書いていますので、浮ついたテキストも、(^^)<妄想乙!も、「So what?」と流せる猛者、求む。


VOCALOID KAITO

VOCALOID KAITO