Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

「庚申まいり」に行ってきました。

 どうしても今日でなければならない理由で、経栄山題経寺にお参りに行ってきました。日蓮宗のお寺で、「病即消滅・不老不死」のご利益があるとされます。通称「柴又帝釈天」と言えば、「ああ!」と思われる方は多いでしょう。
 東京都葛飾区に所在するので近場に感じていたら、小田急線、東京メトロ千代田線、京成線の乗り換え2回、所要時間1時間20分のけっこうな遠出になりました。東京23区の地図で言えば、対角線上の端と端。23区はそれなりに広かったようです(笑)。

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京成電鉄柴又駅前。『男はつらいよ』の寅さんのブロンズ像が迎えてくれます。
このたびは携帯電話のカメラオンリー。画質悪いです。


 開基は1629(寛永6)年。本堂(帝釈堂)には日蓮聖人御親刻と伝わる板本尊「帝釈天」と、脇侍に毘沙門天多聞天)が祀られ、祖師堂には日蓮宗寺院としての本尊である「大曼荼羅」が安置されています。
 柴又帝釈天は「板本尊」の名のとおり板に彫られたもので、一時期、行方不明になりましたが、1779(安永8)年の本堂修繕の際に梁の上から発見されました。その日が庚申(かのえさる)だったことから、庚申日を縁日として、「庚申(こうしん)まいり」が始まったのだとか。
 ですから、柴又帝釈天の庚申まいりは、中国の風習に由来する「庚申待ち」とは関係ありません。と言いつつ、庚申つながりで、庚申日前日の16時半ごろから「宵庚申(庚申待ち)」の纏(まとい)の奉納などが行なわれています。
 表面に帝釈天のお姿、裏面には「南無妙法蓮華経」の題目と、法華経薬王菩薩本事品第二十三(薬王品(やくおうほん))の「この経はこれ閻浮提(全世界)の人の病の良薬なり、もし人病あらんに、この経を聞くことを得ば、病即ち消滅して不老不死ならん」の経文が彫られている板本尊。
 1783(天明3)年の「天明の大飢饉」のおりには、住職だった日敬がこの板本尊を背負って江戸の町を歩き、感得した「一粒符」を多くの病人に施与しました。その霊験があらたかであったため、柴又帝釈天への信仰が広まり、門前町ができて賑わいを見せるようになったそうです。


 その直近の「庚申日」が本日、9月17日。特別祈祷をいただくつもりだったので、本堂の受付で伺うと、3000円、5000円、1万円の種類があるとのこと。紙に祈祷を受けたい人の名前(自分の場合は自分の名前、他者代理である場合は他者の名前。住所・生年月日がわかれば、なおよし。無くても可)を書き、初穂料(金額)の種類と祈祷をお願いしたい事柄に丸印をつけます。項目の最初に「當病平癒」とあるところが、さすが。
 それを開帳受付(だったかな)に差し出せば、白い札を渡されます。内陣に入り、すぐそばに3人の僧侶による読経を聞きながら奥まで進み、そこにいらっしゃる方に札を渡すと、御札がいただけます。開帳受付まで戻って御札を渡すと、その場で祈祷項目と名前を書いていただけます。あっけないくらい早くて簡単でした。
 庚申日だからか、いつもそうなのか、初めて詣でたので知りませんが、力強い読経の声が絶えることなく続いていました。座って聞いていると、なにかが昇華していくような心もちに……。私自身のために訪れたわけではなかったのですが、思わぬ厄払いができたような気がします。

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柴又帝釈天の山門前


 柴又帝釈天に着いたのは午前9時半。すでに、境内にも本堂にもかつては妙齢のご婦人や紳士があちらこちらに(そこにまぎれても、もはや違和感のない自分がちょっと哀しい(笑))。混んでいるというほどではありませんでしたが、お昼近くになるにつれ賑わってきました。境内の木陰では「庚申まいり、お疲れさんです。どうぞ休んでいってください」と、麦茶とあんずバーの無料配布が行なわれていたので、ありがたく頂戴しました。冷えた麦茶と凍ったあんずバーの甘酸っぱい味に、しゃきっと背筋が伸びました。


 ここは、本堂内陣の外側に彫られた、法華経の説話彫刻が有名です。10人の彫刻師による10点の胴羽目彫刻は、1922(大正11)年から関東大震災を経て、1934(昭和9)年に完成しました。厚さ20センチのケヤキの一枚板から、説話の場面が臨場感たっぷりに彫り出された、縦1.27メートル、横2.27メートルの大作が10点。細工の細かさ、彫りの美しさ、神仏や天女、人間、動植物の描写の確かさ、一点一点彫った人は違うはずなのに彫り手の違いを感じさせないモチーフの統一感に感動しました。説話彫刻の上部にある十二支図、下部の花鳥図・亀図も見逃せません。
 「彫刻ギャラリー」と庭園「邃渓園」の拝観には、彫刻ギャラリー・庭園共通で400円の拝観料が必要ですが、一見の価値ありです。

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柴又帝釈天から柴又駅までの参道。江戸時代の創業を謳う川魚料理の老舗や、
軒端で団子・大福などを売る和菓子屋が軒を連ねる。


 京成電鉄柴又駅から青砥駅にて羽田空港行き快速電車に乗り換え、浅草橋駅で下車。JRに乗り換えて、御茶ノ水駅へ。聖橋口を出て、神田神社へ向かいます。
 神田神社は「神田明神」とも呼ばれる、言わずと知れた「江戸総鎮守」の社。御祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)、そして平将門命(たいらのまさかどのみこと)。
 御祭神が御祭神ですから、戦国時代より名だたる武将に崇敬されてきました。さらに、1600(慶長5)年の関ヶ原の戦いにおいて、合戦の前に徳川家康が戦勝の祈祷を行なったところ、9月15日の「神田祭」の日に勝利し、天下統一を果たしたとか。
 そんなわけで、「勝ち運」もお願いしてきたりして……。ついでに、夏バテしているらしいインテル・ソフィアのために「IT情報安全守護」の御守を購入しました。こんな御守もあるのですね。さすが神田・秋葉原に御座する御社です。

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神田神社の境内


 お詣りしたあと、門前の「明神そば きやり」でランチセット「そば飯ととろろ そばセット」780円也をいただきました。美味しかったですv 特にそばの茹で加減とそばつゆ、とろろだしの出汁系がなかなか。神田神社界隈に出かけるときは、また寄ってみようと思います。

 ご心配をおかけしてもアレなので。私自身や家族・親戚になにか起こったわけではありませんので、お心づかいは無用です。


柴又帝釈天公式ホームページ」↓
http://www.taishakuten.or.jp/

神田明神」サイト ↓
http://www.kandamyoujin.or.jp/

ぐるなび「明神そば きやり 神田明神前店」ページ ↓
http://r.gnavi.co.jp/g095629/