Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

本栖湖・河口湖日帰り旅行 これ、すなわち深山幽谷の境地

 もう何回目か忘れましたが、富士山麓に現実逃避行してきました。でもね、今回は「今朝方、ふと思い立って」というほど行き当たりばったりではなかったのです。週間天気予報をチェックし、仕事との兼ね合いをみながら決めた、計画的な逃避行(笑)。
 そして、河口湖・西湖エリアがメインでなかったりね。


 富士山麓に広がる、赤.白.ピンクの花のじゅうたん! 去年から始まった「富士芝桜まつり」は、約2.4ヘクタールという広大な敷地に約70万株が植えられた、首都圏最大のシバザクラの花畑が舞台。開催時期は4月上旬〜5月下旬。シバザクラの開花に合わせるため、去年は4月25日〜6月1日の開催でしたが、今年は4月29日〜5月31日です。
 イベントサイトの開花状況では、花盛りのピークは過ぎ、先週の激しい雨もあって緑の部分が多くなっているとのこと。それでも行くことに決めたのは、この時期ならではの“いいこと”があるからです。
 「富士芝桜まつり」の開催期間中は、河口湖駅と会場を往復する「芝桜ライナー」なるシャトルバスが運行されます。このバスの停留所が、河口湖駅ハイランドリゾートホテル&スパ・風穴・本栖湖・富士芝桜まつり会場。そう、本栖湖に行くのに断然便利になるのです。通常の路線バスの平日ダイヤだと1時間に1本しかないので、ちょっと行きにくいんですよね。
 そんなわけで、今回の旅は「富士芝桜まつり」→本栖湖(→寄れたら、河口湖北岸)を巡ります。


 8:10、新宿西口バスターミナル発の高速バスに乗って、一路、河口湖駅へ。このたびは事故渋滞も自然渋滞もなく、予定どおり9:55に河口湖駅に着きました。駅のバスロータリーの7番乗り場に設置された「芝桜ライナー」チケット売場で、往復乗車券(途中の停留所で乗降できるフリーパス)とまつり会場入園券がセットになったチケットを購入。シバザクラの開花のピークを過ぎたからか、大人1,800円のところ1,700円になっていました。
 10:10、河口湖駅発の「芝桜ライナー」に乗って、富士芝桜まつり会場へ。青木ヶ原樹海を突っ切り、約30分で到着しました。


 平日で人もまばらかと思いきや、観光バスを連ねて高齢の団体さんが観光に訪れていました。それに、母娘とか、祖父母と母親と子どもたちといった雰囲気の子ども連れとかもけっこう……。なるほど、平日ならではの客層ということでしょうか。
 雲に覆われた空の下、会場は肌寒く、せっかくのシバザクラも色がくすんで見えます。でも、なぜか富士山は異様なほどにくっきりと、そして大きく見えました。山肌の起伏まではっきり望めたことは、秋に紅葉台に登ったとき以来。天気と富士山の見え方の関係はまったく不明で、こうして曇っていても、クリアに見えたりするんですね。

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本栖湖に棲む龍神をかたどったというシバザクラのモザイク。
しかし、どこが龍のどの部分なのやらわからぬ……のは仕様なのか!?
(写真はすべて、画像クリックで大きくなります)

 
 会場では、本栖湖名物の鹿肉(ジビエ)を使った「鹿肉カレー」、河口湖の新名物として展開中の「かっぱ飯」、ハイランドリゾート&スパのレストランのパスタ料理、富士宮の焼きそば、富士吉田のうどんとそば、甲州名物のカボチャほうとうといったご当地名物や、五平餅やおにぎり、アイスクリームなどの出店がずらり。
 以前に旅館の夕食の一品として食べたことがありましたが、それっきりなんとなく食べ逃していた「カボチャほうとう」を注文しました。650円也。5分ほど待って、出てきたほうとうは、きしめんよりも太い麺がんにょろんにょろ。トロトロのカボチャにキノコ、ニンジン、白菜が入っています。
 旅館で食べたほうとうがおいしかったのでそう言ったら、山梨県民を含めた知り合いみんなに「え〜、ほんとに〜? ほうとうはいまいちだよ〜」と言われたんですね。旅館の会席料理の一環だったからおいしかったのかなと、もう一度試してみたのですが……。ふつうにおいしいよ。あるぇ〜? まあ、私の舌は、世界中の人から「まずい」と評判の英国料理を「おいしい」と感じるので、なんかちょっとおかしいのかもしれません。

 ふじやま温泉のブースでは、バナジウムの足湯の無料体験も。富士山を見ながら足湯もいいかなと思ったのですが、バスの時間があったので断念。ちょっと残念。


 11:40発の「芝桜ライナー」で5分も走ると、「本栖入口」の停留所です。降りてすぐの角を左に折れると、国道300号(通称「本栖みち」)。道なりに下れば、左手に本栖湖が見えてきます。ただし、この地点からは湖越しの富士山は見えないんですよ。ぐるっと対岸まで行かないことにはね。
 そのまま3分ほど直進すると、右側に「本栖湖観光案内所」があります。スタッフの方に「ここから『千円札の富士山のビューポイント』までどのくらいありますか?」と聞けば、「3キロほどですよ」とのこと。「歩いて1時間弱ですね」と言えば、少々悩むそぶり……。いただいた地図を見ながら「これ、車道を辿るしかないですか。湖畔に歩道とかは?」「車道しかないですよ」「だったら、一本道ですね。少なくとも道に迷う心配はないですね」などなど会話を交わして、「行けるところまで行ってみます」と案内所を後にしました。
 前日に地図とネットで調べたときも「歩いて1時間くらいかな」と思ったので、予想の範囲。歩くところが車道(国道300号)の端というのが気に入りませんが、それしかないんだから仕方がありません。さて、ハイキング開始です!


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カーブの突端から姿を現した富士山。


 徒歩のいいところは、「これ」と思うビューポイントを見つけたとき、立ち止まってカメラのシャッターを切れることです。車だとなかなかそうはいきません。国道300号本栖湖畔の3分の1を巡る区間には車を止められる場所は2カ所しかないので、写真撮影が目的の場合は徒歩かサイクリングに限ります。
 なぜわざわざこんなことを言うかというと、この道づたいの眺めがただならぬからですよ! ここは絶対に一度は歩いていただきたい!! 本栖トンネルを抜けて少し行くと、本栖湖の向こう側に富士山が姿を現してくるのですが、その眺めがもう……。まさに深山幽谷の風情です。歩いているところは、舗装された車道なんですがね。


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本栖湖のビューポイントのひとつから。
傍の待避所に車を止めて、写真を撮っている人もいました。


 今日の富士山は裾野に霧が立ち、これまで見たどの富士山よりも幻想的な表情。「本栖湖から見る富士山が日本一」という声をよく聞きますが、なるほどと思えます。
 国道というわりにぽつんぽつんとしか車が通らないので、しんとした静けさのなか、ケキョケキョケキョ、ピピピピ、チュピッチュピッ、キョキョキョキョキョといった、姿を見せない鳥たちのさえずりが高く聞こえます。
 途中、道路工事のおじさんに「気をつけて行きなさいよ」と言われたり、車を止めて写真を撮ろうとしていた老夫婦を、富士山をバックに撮ってあげたりしながら、「湖畔の展望台」に到着。ここから国道300号を外れて左側の舗装された道を少し行くと、「千円札の富士山」のビューポイントに到着します。
 時間は13:05。写真を撮りながら、約1時間で到着しました。


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(本来の撮影場所より少し下から撮った)「旧五千円札裏の富士山」。
いかがですか。似てますか?


 現行の千円札の裏の富士山は、旧五千円札の裏の富士山のイラストを元にデザインされたものです。その旧五千円札の裏の「逆さ富士」の元となった風景は、本栖湖のこの地点……ではなく、背後の山をもう少し登ったところで撮影されました。撮影者は、生涯に渡って富士山を撮り続けた写真家・岡田紅陽(1895〜1972年)。作品名は「湖畔の春」です。


 ハイキングまではできますが、さすがに登山となると脚がもたないので、道端のビューポイントから撮影。ここからの眺めで、もう充分に満足です。……美しい!


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湖面に「なにか」が映っているわけですよ。
とっても惜しい「もうちょっとで逆さ富士」。


 カメラを片手にぶらぶらと歩き回り、心残りを感じながらも来た道を戻ります。帰路はずっと右手前方に富士山を見ることになるので、行きとは違って、富士山と同道二人という感じでした。
 脚が痛くなってきてトボトボ歩きになりながら、それでも「撮るべきものは撮る!」というありさまだったので、復路は往路よりちょっと時間がかかりました。14:10、観光案内所前に到着。そこから本栖湖畔に下りたあと、「本栖入口」の停留所へ。14:35の「芝桜ライナー」に乗って、河口湖駅に戻ります。


 河口湖駅から15:20発の毎度おなじみの河口湖周遊「レトロバス」に乗り、「猿回し劇場・木ノ花美術館」へ。今回はフリークーポン(1,000円)は買いませんでした。だって今回の目的地は一カ所のみで、片道370円、往復740円だもん。
 河口湖木ノ花美術館のレストランカフェ「オルソンさんのいちご」で、1日20名限定のプリンとコーヒーをいただきました。プリンは最後の1コだったそうです。一度食べてみたかったので、ラッキー! プリンというより「クレーム・ブリュレ(焼きクリーム)」と言いたい、コクのある味わい。疲れた身体とブラックコーヒーに、どっしりした甘みがよく合います。プリンの周りにはストロベリー、ブルーベリー、ラズベリーが彩りよく配されて、天然の甘酸っぱさがまたうれしいv


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河口湖のいつもの場所から、葉桜と富士山。


 まったりしたあとは、いつものところでいつもの富士山をカメラに収めました。だんだん定点観測している気分になってきましたヨ。
 17:12に「猿回し劇場・木ノ花美術館」停留所を通る、最終のレトロバスで河口湖駅へ。駅の中のカフェで、コーヒーを飲みながら新宿行きの高速バスを待ちます。今回は、本栖湖でどれくらい時間がかかるかわからなかったので、余裕をもって18:40発の高速バスにしたんですよね。約1時間、のんびりと時間をつぶしました。
 これにて、富士五湖のうち河口湖、西湖、本栖湖を制覇。残るは精進湖と山中湖です。いずれ、そのうちにすべてを回ってみせますよ!


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なんと、河口湖でもとっても惜しい現象が!
ちょっとした瞬間の出来事でした。


「富士芝桜まつり」サイト
http://www.shibazakura.jp/

地域探検!ナビィシティー「新旧お札・逆さ富士の不思議」
http://www.navi-city.com/tokusyu/tokusyu_satsu.html

「河口湖木ノ花美術館」サイト
http://www.konohana-muse.com/