Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

Play Back, Pops in 1985!

 ここのところ、1985年前後に流行った洋楽ロックを聴いています。マイケル・ジャクソンの訃報で、「We are the world」のほか「Smooth Criminal」「Beat It」「Thriller」「BAD」などを聴き直したこともあるのですが、それ以上に、昨日の「日記」に書きました『MR. BRAIN』のテーマソングのせいっていうのが大きい。Van Halenヴァン・ヘイレン)の「JUMP」(1984年)だもんなあ。一気に『MTV』視聴時代に時間が巻き戻ってしまいました。


 当時、好きだった曲を何曲か……。
 まずはCyndi Lauper(シンディ・ローパー)の「Time After Time」(1984年)。これは『MTV』というより、『タイム・アフター・タイム (Time After Time)』という映画がテレビで放送されたときに、そのエンディングで流れたという記憶があります。
 『タイム・アフター・タイム』は1979年製作のアメリカ映画。1893年、SF作家であり科学者でもあるH・G・ウェルズマルコム・マクダウェル)が完成したタイムマシンを友人たちに披露していたとき、「切り裂きジャック」を探して警官が彼の家にやって来ました。直後、友人の外科医スチーブンソン(デイヴィッド・ワーナー )とタイムマシンが姿を消します。戻って来たマシンを見ると、行き先は1979年のサンフランシスコ。ウェルズは未来のシスコにスチーブンソンを追います。そこでは「切り裂きジャック」事件と同じ手口の連続殺人事件が起きていました……。
 この映画のLDを買って観てみたら、なんとエンディングテーマがシンディ・ローパーの「Time After Time」じゃなかったんですよね。「金曜ロードショー」だったか「日曜洋画劇場」だったか、とにかくテレビ局のスタッフが同じタイトルに引っかけてこの曲を映画のエンディング(すなわち番組エンディング)で流したのだとしたら、「やってくれるじゃないか……」というところ。なぜなら、歌の印象が強くて、もう一度聴きたくて、私はこの映画のLDを買ったのですから(そのときは誰が歌っている、なんていう曲か知らなかったのです)。LDのエンディングロールで違う曲が流れたときは、かなりショックでした(笑)。


 こちらも映画絡み。David Bowieデヴィッド・ボウイ)の「Underground」(1986年)。『セサミストリート』のマペット作家として有名なジム・ヘンソンが監督、ジョージ・ルーカスが製作総指揮を執った『ラビリンス/魔王の迷宮(Labyrinth)』のエンディングテーマです。ボウイはこの作品で、ゴブリンの世界を支配する魔王ジャレスとして、とってもハンサムでちょっと憂いを帯びた魔界の王を好演しています。彼は、ジム・ヘンソンの前作『ダーククリスタル(The Dark Crystal)』のファンで、『ラビリンス』への出演依頼を快諾したのだとか。
 「Underground」のプロモーションビデオは、ボウイと『ラビリンス』のマペットが共演するファンタジックなものになっています。ゴブリンの世界に君臨する前の、あるいは現実での魔王ジャレスの姿かと思えば、感慨もひとしお。


 Starship(スターシップ)の「We Built This City」(1985年)も忘れちゃいけません。邦題は「シスコはロックシティ」。
 バーニー・トゥーピン作詞、マーティン・ペイジ作曲の原曲は、特にサンフランシスコを歌ったものではありませんでした。ロック・ミュージックが、誕生した当初は迫害されていたというニュアンスの、暗いイメージの曲だったようです。それを、Starshipのプロデューサーが改変の許可を得て、間奏部分のバックによく晴れたシスコのようすを語るDJの声を入れ、ぐっと明るくインパクトのあるものにしたのだそう。なぜシスコなのかと言えば、Starshipの元であるジェファーソン・スターシップの、そのまた前身のジェファーソン・エアプレインがサンフランシスコ出身だからでしょうか。実際、歌詞自体はどこの町のことを歌っているのかはわかりません。せいぜいアメリカの大都市かなというくらいで。
 初期のシンセサイザーミュージックを代表する1曲。この曲でマーティ・バリンとツインボーカルを務める女性シンガー、グレイス・スリックは、ユーミン松任谷由実)の「グレイス・スリックの肖像」の、つまりその人です。
 Starshipからは「Sara」(1986年)も挙げておきましょう。とてもメロディアスできれいな曲ですが、歌詞とプロモーション・ビデオが合わさると、なかなかステキに怖いです(笑)。


 最後はMr. Mister(ミスター・ミスター)の「Kyrie」(1985年)で締めましょう。私の大好きな曲です。歌詞のなかで何度もくり返される「Kyrie eleison(キリエ・エレイソン)」とは「主よ、憐(あわ)れみたまえ」という、祈りの決まり文句。「Kyrie」にはロックとヒーム(賛美歌)の絶妙なる融合を感じます。なによりリチャード・ペイジの美声は一聴の価値あり。
 シンプルな曲なので、訳を書いておきます。相変わらず超訳ですよ。


Kyrie(主よ)
Lyrics by S.Page-S.George-J.Rang


主よ、憐れみたまえ。主よ、憐れみたまえ。主よ。
海を越え、山肌を打ちつけた強い風が、私の魂に吹きつける。
隠れることもできず、私は道の上に立ちつくす。


たくさんの記憶を抱えた心はくたびれてしまったけれど、
身体は宝石のような炎で輝いている。
私が自分自身を再び見出すのは、
魂とこのやわらかな肉体の間にあるどこかだ。


主よ、どうか私が進むべき道が、なだらかで楽なものでありますように。
主よ、どうか夜の闇を抜けることができますように。
主よ、どうか私が行くところ、あなたが共にあってくださいますように。
主よ、どうか私が歩むところ、光に照らされた、まっすぐな道でありますように。


若かったころ、老いるとはどういうことか、
私の人生にどんな意味があるのか、考えた。
定められた道をただ辿っていくのか。
むしろ、なれたかもしれないなにかを思うこと。それを希望と呼ぶのか。


主よ、どうか私が進むべき道が、なだらかで楽なものでありますように。
主よ、どうか夜の闇を抜けることができますように。
主よ、どうか私が行くところ、あなたが共にあってくださいますように。
主よ、どうか私が歩むところ、光に照らされた、まっすぐな道でありますように。


 機会がありましたら、ぜひこれらの楽曲をプロモーションビデオ共々、視聴してみてください。