Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

初夏の富士山麓、朝霧高原へ日帰りドライブ旅行

dion_makaino_1.jpg
朝霧高原の「まかいの牧場」。
(写真はすべて画像クリックで大きくなります)



 人によっては12日連休!?というゴールデンウィークも明日で終わりという今日、日帰りドライブ旅行に出かけました。コースは「富士芝桜まつり」会場、朝霧高原まかいの牧場、白糸の滝・音止(おとどめ)の滝、奇石博物館です。


 8時30分にJR八王子駅で待ち合せのところ、人身事故によるJR中央線の遅延で20分ほど遅刻。朝方まで仕事に追われ、「ここで寝たら、絶対に遅れる」と完徹したのに、意味がな〜い orz。
 でも、家を出る前に天気予報で「今日は一日いいお天気が続くでしょう。ご覧ください。富士山がきれいに見えています」と、東京からでもくっきりはっきり見える富士山を確認したので、このたびは「見えるかどうか」の不安はありませんでした。
 八王子インターから中央自動車道に乗って、河口湖インターまで一直線。相模湖あたりから、冠雪の濃淡、山肌の起伏まではっきり見てとれる巨大な富士山が見え隠れ。
 BGMは徳永英明の人気のカバーアルバム「VOCALIST」。「ハナミズキ」は最近の曲ですが、「時代」とか「オリビアを聴きながら」とか「翼をください 」とか「卒業写真」とか懐メロがいっぱい! どの歌も徳永調になっているのがちょっとおかしい。「異邦人」なんて、半ばくらい聞くまでわからなかったもの。


 中央自動車道はスムーズにクリアしましたが、河口湖から本栖湖を結ぶ国道139号線がちょっと渋滞。「富士芝桜まつり」会場に到着したのは、11時ごろ。
 4月の天候不順が影響して、シバザクラは五分咲きとのこと。紅、白、ピンクがきれいに咲きそろっているところもありましたが、たしかにまだ緑の部分が多い印象。
 なにより、さっきまであんなに鮮明に見えていた富士山が、会場に着いたら、姿を消してしまっていたのがショック! ほんの20分ほどの間になにがあった!?
 気温は17度。空を見れば、西からどんどん途切れることなく雲が流れてきています。これはもう、富士山の眺望は諦めるしかない状況……。山の天気は変わりやすくて、まったく読めません。


dion_shibazakura.jpg
正面に見えるはずの富士山が、いません(笑)。
今年のシバザクラは、結局、咲きそろわなかった
そうです。天候不順の影響がこんなところにも。




 再び国道139号線を富士宮方面へ。標高900mの本栖湖からかなり下ったなあと思うころ、朝霧高原のまっただなかにある「まかいの牧場(馬飼野牧場)」に到着しました。
 朝霧高原は、静岡県富士宮市北部、富士山西麓の標高700〜1000mに広がる高原。富士山を間近に見上げる景勝地として、また冷涼な気候から酪農が盛んで、牧場があちらこちらにあることでも知られています。
 朝霧高原の風景ってどこかで見たことがあると思ったら、英国の丘陵地帯に似ているのでした。全体的に薄緑、ところどころ緑色の草原がなだらかな丘を幾重にも形成し、まるでアクセントをつけるかのように濃緑の雑木林が点在する。この景色のなかにいるだけで、のどかで、ひろびろと開放された気分になります。


 「まかいの牧場」でランチ。こちらのランチハウスでは、「青木養鶏さんの鶏肉」「岡村牧場さんの岡村牛」「富士宮鶏卵さんの卵」「加藤さんのお米」「さの萬さんのソーセージ」「富士の里(北山)さんの野菜」などなど、富士山麓で育まれた食材を使った料理をいただけます。
 私は「青木養鶏さんの鶏肉」のグリルランチを注文。サラダ、スープ・みそ汁、お茶はバイキングで好きなだけ。しばらく待つと、グリルチキンとライス、野菜のグラッセを載せたワンプレートが運ばれてきました。ほかほか、つくりたて! グリルチキンのソースは、ベースに新タマネギが使われたことがわかる、独特の甘みがありましたv
 「新鮮な地元の食材を、できるだけ自然な味で」というこだわりがいいですね。その滋味をたっぷり堪能!


 入園料(大人700円、小人500円)を払えば、牧場の中に入れます。
 有料・無料ありますが、山羊と散歩できたり、乗馬が体験できたり、牛の乳をしぼったり、仔牛にミルクをやれたり、羊の毛刈りを見学できたり、動物とふれあえる機会がいっぱい!
 バターづくりやチーズづくり、牧場に落ちている木の枝や木の実を使った木工や陶芸、キャンドルアートなどなど、さまざまな体験工房もあります。
 手っ取り早く牧場内を見て回りたければ、トラクターバスが便利(大人400円、小人300円)。スタッフのガイドを聞きながら、トラクターなんてめったに乗れない乗り物で園内を一周できます。
 ファミリーの姿が多かったのですが、なるほど、子どもからおとなまで、家族全員で一日メいっぱい楽しめそうです。


dion_makaino.jpg
「富士山の眺望が最高」の丘からの眺め。ふふふ。
丘陵の下を行くのがトラクターバス。



 私たちは「富士山の眺望が最高」という丘に登り、のんびりと草を食む羊をしばし眺めていました。う〜ん、なごむ〜。これで、富士山が姿を現わしてくれれば、本当に最高だったんですけどね(笑)。
 羊の毛刈りも見ましたよ。そろそろウール100%は暑いようで、刈られている羊は気持ちよさげに大人しくしていました。いや、あのとろ〜んとした横半月の瞳孔がそう見せただけで、実際はヤダヤダって感じだったのかもしれませんが。


dion_kegari.jpg
毛刈られ中の羊さん。


 デザート兼おやつに、しぼりたてのホットミルクと牧場内でつくられたシュークリームを頬張りました。とってもおいしい! すんごくおいしい!! さらっとした飲み心地にほのかに甘みを感じる牛乳を家でも味わいたいと思い、ショップで900mlの瓶入り牛乳とプチシューを購入v



dion_shiraito.jpg
名瀑・白糸の滝。幾筋もの落水が幔幕のようです。


 再び車に乗り、近くの「白糸の滝・音止の滝」へ。この旅のハイライトはココ! 
 白糸の滝は国の「名勝及び天然記念物」で、「日本の滝百選」にも選ばれた名瀑。U字型を描く滝の幅はなんと約200m、落差約20m。富士山が噴火した際に流出した溶岩が断層となり、穴だらけ隙間だらけの溶岩の中を伝ってきた富士山の雪解け水が、断崖のあちらこちらから流れ落ちています。それが、ちょうど白くて細い絹糸を何本も何本も垂らしたように見えることから、「白糸の滝」と呼ばれるようになりました。
 「富士の巻狩り」の際に滝に立ち寄った源頼朝が「この上に いかなる姫や おはすらん おだまき流す 白糸の滝」と詠んだように、とてもたおやかな、女性を感じさせる滝です。
 そのせいもあって、ガイドブックなどの写真ではあんまり迫力を感じなかったのですが……。
 近くで見ると、緑と黒と白のコントラストが利いた風景が視界いっぱいに広がり、澄んだ水がまわりじゅうから迫り落ちてきます。立ち上る水煙から飛沫が微粒子となって舞い散り、空間全体に水の紗幕がかかったよう。滝つぼの近くに佇んでいると、顔や衣服がしっとりと湿りました。
 ちょうど雪溶けの時期で水量が多かったのもよかったのでしょう。筆舌に尽くしがたい光景を見ることができました。
 晴れていれば、滝の上に富士山を見ることができるそうですヨ。



dion_otodome.jpg
白糸の滝より男性的な音止の滝。


 白糸の滝から遊歩道を5分も歩けば、音止の滝に着きます。こちらは柴川という川の本流が流れ落ちる、落差25mの迫力の滝。やはり「日本の滝百選」に選ばれた名瀑で、白糸の滝が女性的なら、音止の滝は男性的なイメージ。
 先述の源頼朝が挙行した富士の巻狩りのおり、曾我十郎祐成と曾我五郎時致の兄弟が父の仇である工藤祐経を討つ計画を立てました。滝の近くでその相談をしようとしたところ、瀑音でお互いの声が聞こえない。「大事な相談をしているのに心無いことだ」とつぶやくと、密談の間だけ滝の音が止まったということで、「音止(おとどめ)」の名がついたとか。
 滝上の展望台から見るだけでしたが、たしかにドウドウと響く落水の音。滝つぼ近くに至っては相当な轟音でしょう。他人に話を聞かれないのはいいけれど、お互いの言葉も聞こえなくてどうするということで、曾我兄弟のちょっとかわいらしい伝説ですね。



 最後は富士山麓の山間にある「奇石博物館」へ。国道からそれると、目印になるものがないので、どこで曲がればいいのやらさっぱり。カーナビも役に立ちません。青木ヶ原樹海よりも、車で走る富士山麓のほうがよっぽど迷いやすいんじゃないかと思いました。地図、必携。
 車でないと絶対に行き着けない場所のうえ、山の上にこの施設がぽつんとあるだけなので、なかなか攻略難易度の高い博物館と言えましょう。山越え谷越えようやく辿り着いたビジターの皆さん、ようこそ。奇石博物館は、ここでしか見られない、驚くばかりの珍しい石ばかりが展示されている、まさに奇跡で奇石の博物館です。


 まずは化石の展示室。三葉虫アンモナイト、シダやサンゴ、ウミユリなどおなじみの化石が並んでいるのですが、特筆すべきは、ほとんどが欠けることなく全体が見られる完品だということ。
 立体的に石化したトンボ、シーラカンスや両生類の大きな全身化石もありで、びっくりです。それ以上に驚きなのが、通称「雨の化石」。雨粒が火山灰をまとってできた石なんですって。
 隕石、鉄を寄せる磁鉄鉱、電気を発する電気石、文字を浮き上がらせるテレビ石、手で曲げられるコンニャク石、闇夜に光る蛍石などの蛍光鉱物などなど、珍しい石もぞくぞくでザクザクでゾクゾク。
 コケやカビの生えたなにかにしか見えない石、バラの花のような石、針葉樹の枝にしか見えない石、葉の化石のような石、針や繊維、革に見える石、ヒゲのようなものが生えた石など、「ええっ、これが石!?」と思わず見直してしまう奇石もフツーに展示されています。
 もちろん、ダイヤモンド、緑柱石(エメラルド・アクアマリン)、鋼玉(ルビー・サファイヤ)、メノウ、オパール、ガーネットといった誰もが知る宝石に、水晶のコレクションもあります。特に水晶は、知識のない私でも「すごい!」と感嘆してしまうほど、すばらしいバリエーションを目にすることができました。
 「石」って奥が深いんだと開眼しました。ハマると大変そうですけどね。


 この博物館には、宮沢賢治の作品に登場する石の実物も展示されています。連れの方によると、こちらが私に見せたい本命だったそう。
 宮沢賢治は、幼少時は「石っ子、賢さん」と呼ばれたほどの石好きで、趣味は鉱物採集。長じて地質学を勉強し、農家の土づくりの相談にのったり、石灰肥料の普及に努めた人ですから、その作品にも岩石や鉱物がよく描かれています。
 木造の古い教室を模した展示室に、『貝の火』の宝珠のモデルになったファイアーオパールとか、『銀河鉄道の夜』のプリオシン海岸に埋まるクルミの化石とか……。特に『楢ノ木大学士の野宿』については、小説で語られている岩石の物語を模型で解説してありました。
 おもしろかったんだけど、だけど……徹夜が祟って、このあたりから半分意識が飛んでました。すっごい残念!



 博物館から車ですぐのところに、「やまぼうし」という洒落た山荘風の喫茶・レストランを発見! 私はロゼワインにミックスサンドを頼んだのですが、ハンバーグステーキやソテー、ビーフシチュー、グラタン、ピザなど、どれも本格的でおいしそう。
 実際、グラスでお願いしたロゼワインは、クセのない、でも香りとほどよいコクのある、いいセレクトでしたし。ポテトチップスがついてきたのも、ポイント高し。ミックスサンドも、ふわふわのパンにマヨネーズとカラシが私好みの配分で、つくりたての風味がたまりません。
 遠すぎてちょっとやそっとで行けそうにないのが……。ビーフシチューとかソテーとか制覇したいんだけどな。



 初夏の一日を、雄大な風景のなかで清々しい空気を体内に取り込みながら、ゆったりまったり過ごしました。ドライブ旅行ならではのところへお連れいただいて、楽しかったです。
 次は、ぜひ「富士山の見える朝霧高原」をリベンジしたいですね。



「納屋猫の旅・たび・写真」に写真をUPしました。
http://nayanekoph.exblog.jp/14536507/



「富士芝桜まつり」
http://www.shibazakura.jp/

まかいの牧場(馬飼野牧場)」
http://www.makaino.com/

「〜富士山周辺トラベルガイド〜」白糸の滝・音止めの滝
http://www.geocities.jp/mt_fuji_kazu/FROM/JAPANESE/spotj.html

「奇石博物館」
http://www.kiseki-jp.com/

「レストランやまぼうし」
http://www6.shizuokanet.ne.jp/kirameki/