Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

ふりむけば、本がいる。

 昨日、掃除をしながら思ったこと。今ならヘンリヒの気持ちがわかる……かも。
 ヘンリヒ・マイヤーは竹本泉のマンガ『ねこめ〜わく』(宙出版朝日新聞出版)に登場するキャラクター。宇宙軍のテストパイロットで、亜光速宇宙船の試験飛行に出発したら、航宙中にウラシマ効果で5千年が経過。故郷の惑星に帰還してみれば、人間たちは進化させた猫たちを残してどこかへ去ってしまったあとだったという、なんと言っていいかわからないくらい不幸体質な青年です。
 二本足で立ち歩き、人間の言葉を解して話せる猫たちにとって、自分たちを進化させた人間は神にも等しい存在。四足歩行でニャーニャー鳴く地球の猫を「原猫(げんねこ)」と呼び、自分たちはできるだけ人間に近づこうと、人間の「遺跡」である国立国会図書館に保管されていた書物を研究、その文明を忠実に再現しようとしていました。そこへ当の人間の出現です。猫たちは人間の生活を教わりたいと、ヘンリヒにまとわりつくのでした。
 ところが、ヘンリヒは小動物が苦手なうえに猫アレルギー。ふわふわ飛ぶ猫の毛にくしゃみが止まりません。人間は自分ただひとり。猫だらけの故郷は地獄に等しく、彼は国立国会図書館に引きこもり、猫たちに「立ち入り禁止」を言い渡します。
 人間の研究ができず困った猫たちは、魔術で異次元の惑星・地球から女子高生の村上百合子を召喚。図書館を開放するようヘンリヒを説得してほしいと頼みます。ひねくれ者のヘンリヒの言動に腹を立てながらも、百合子は彼と猫たちとの架け橋になることに……。
 猫の世界の猫たちは、地球における19世紀末風の洋服を着こなし、偉そげなことも言いますが、しょせんは猫。こたつを見ると入りたくなるし、驚くと目がまん丸になるし、お祭り騒ぎをしたあとは先祖返りをして猫そのものになってしまう。そんな猫たちにツッコミ入れまくりの百合子とヘンリヒのコンビには、ちょっぴり甘酸っぱいものもあったり。
 ユルいんだけど、そこここ本格SFな『ねこめ〜わく』。朝日新聞出版より6巻まで刊行されています。忘れたころにぽろっと新刊が出るところも、ユルくていい……かも。


 1994(平成6)年にデータム・ポリスターから発売されたドラマCD『音盤ねこめ〜わく』にはオリジナルドラマ5話分(百合子の声は平松晶子、ヘンリヒは塩沢兼人)と百合子、ヘンリヒ、シマシマ(職業・弁護士の縞猫)、クロフ(株式仲買人の黒猫)それぞれのイメージソングが収録されています。そのなかで、森本公三が歌うヘンリヒの歌「ふりむけば猫」に、こんなフレーズがあります。

 「ふりむけば猫 みわたせば猫
  前も後ろも 左も右も ぐるっと360度
  十字路の街角 喫茶店の裏
  ふりむけば猫がいる」
 (作詞/竹本泉 作曲・編曲・歌/森本公三)


 「いい声でなにを歌ってはるんですか」という感じなんですが(笑)。


 今回、掃除をしていてですね。ダンボール箱に入れるものは入れて、不要なものから順に積み上げて。本棚もシリーズごとにまとめて、美しく収まったとホッとして。そんなときですよ。まとめた紙ゴミを退けてみたら、下から本が! フロアテーブルを動かしてみたら、陰から本が! 仕事机の上を見たら、一時避難的に置いておいた本が! 視線を向ける先から本が出てくる。手を伸ばす先から本が出てくる。もうどんだけ本、本、本やという。
 積み上げたダンボール箱をまた下ろして、下方の箱に入れ場所を見つけたり。美しくまとめた本棚の本をまたあっちこっちと動かして、置き場所を確保したり。……これだけ本に苦労するということは、前世でなにか因果因縁があったに違いない。焚書でもしましたかね。
 思えば、このマンションに決めたのも、鉄筋コンクリート建てで多少のことでは床が抜けそうになかったから、というのが理由ですしね。本に振り回される人生というのはちょっとイヤかも、と思い始めたこのごろ。でもやっぱり買っちゃうんだろうけどさ。


ねこめ~わく 3 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

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ねこめ~わく 6 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

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ねこめ?わく

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