Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

「アラン・レネ追悼特集」映画上映会で『去年マリエンバートで』を観る






 アンスティチュ・フランセ日本にて5月9・10日開催の「アラン・レネ追悼特集」映画上映会に参加。『慎み深い革命家、アラン・レネの方法論』『ガーシュイン』『薔薇のスタビスキー』『去年マリエンバートで』を鑑賞。濃い時間を過ごしました。


 『慎み深い革命家、アラン・レネの方法論』と『ガーシュイン』は仏語・無字幕でお手上げ状態だったのですが(仏文学修士なんですけどね、一応 orz)、アラン・レネの映画技法にはバンド・デシネが影響していると知り、あのカット割りや場面転換の不思議はそういうことかとものすごく納得。
 『ガーシュイン』は、『ヴァン・ゴッホ』『ゲルニカ』といった絵画を映像化した短編を制作し、音楽にも造詣が深いレネ監督ならではの、かなり趣味的な伝記映画。音楽家ジョージ・ガーシュインの生涯をイラストと音楽と解説で綴ります。ガーシュインメロディに存在する「NYのメランコリー」の正体に迫っていて興味深いものでした。


 『薔薇のスタビスキー』は1933年にフランスで起こった「スタビスキー(スタヴィスキー)事件」の映画化。伊達男の詐欺師スタビスキーのゴージャスな生活を描きながら、父親の自殺や数々の名前をもったことでアイデンティティに惑う心情を描いていて、レネ作品の中ではわかりやすくてスペクタクルでした。


 そして、大本命『去年マリエンバートで』。約四半世紀前に観たきりだったので記憶違いがあったり、新たな発見があったりで、「こんな話だったのか!」と面白く鑑賞しました。
 デルフィーヌ・セイリグの衣装がポイントになっていたのですね。シャネルデザインのさまざまなドレスが美しかった!
 カラーだったらなおよかったのにと思いますが、あの城館とフランス式庭園の禍々しくも感じる非現実感はモノクロならでは、ですよね。
 黒澤明の『羅生門』がモチーフだそうで、なるほど、あのカット割りはそういうことか、などなど発見の多い機会でした。


 アンスティチュ・フランセ日本「アラン・レネ追悼特集」サイト:http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/cinema1405090510/



アンスティチュ・フランセ日本の1階にはパリ風の書店があります。カフェやレストランもあり。


Last Year in Marienbad (1961) - Alain Resnais (Trailer) | BFI:http://www.youtube.com/watch?v=yc6n2McMAnY
 

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