Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

古代エジプトのビール「WHITE NILE」

 忘れもしない3月24日。Iさまから素敵な贈り物をいただきました。ビール、半ダース! それもウワサの「WHITE NILE ホワイトナイル」でしてよ、奥様!!


 「ホワイトナイル」、それは早稲田大学エジプト考古学と、京都大学の植物遺伝学が手を結んで開発した「復元された古代エジプトビール」の名前です。
 早稲田大学エジプト考古学といえば、吉村作治教授。2002年、教授は古代エジプトでビール醸造に使われていた麦が「エンマー小麦」であることを発表しました。
 原料と製法がわかれば、当時のビールを復元してみたいと思うのは自然な流れです。けれども古代種であるエンマー小麦は、現代では栽培されていません。原料がなくては、古代エジプトのビールの復元製造は無理。そう思われたとき、なんと京都大学の植物起源学研究室でエンマー小麦の種子が発見されました。この研究室では、世界中から収集した小麦種子を役1万種保存しており、そのなかにあったのです。

 こうして2004年、エンマー小麦を使用した古代エジプトビールは復元製造されました。
 この成果は、研究の産物を社会還元しようと考えた京都大学の呼びかけにより、さらに両大学の共同ブランドビールとして開発、量産が進められることになりました。
 その先駆けとして、2005年に誕生したのが、エンマー小麦近縁のデュラム小麦を使用し、現代風にアレンジしたビール、「ホワイトナイル」。なぜデュラム小麦なのかといえば、エンマー小麦はまだ栽培途上で充分な量がなかったから。
 そして、今夏、ついにエンマー小麦入りの「ホワイトナイル」が発売される予定なのです!


 ……という、古代エジプトのロマンと『プロジェクトX』並みのドラマをもって生まれた「ホワイトナイル」。製造元が京都・伏見の黄桜酒造なので、水は京都の名水を使用(なぜ伏見なのかといえば、ピルスナービールの醸造には軟水が適しているから……と想像。ちなみにラガービールは硬水が多いのね)。ここまで聞けば、飲みたくならないわけないじゃないですか。両大学の生協で販売されていることは知っていましたが、早稲田大学まで足を伸ばす機会のないまま幾星霜。
 ところが、思いがけずIさまから「ホワイトナイル」3本に、黄桜酒造の「酒蔵仕込 京都麦酒」のアルト、ケルシュ、蔵のかほりが1本ずつ入ったセットをいただいてしまったのでした。
 欣喜雀躍、小躍り、大踊り! 賞味期限は約2か月ということで、仕事明けから飲んでます〜v


 この「ホワイトナイル」。特徴は香りのよさとさらっとした舌触り、清涼感。私的感覚ではピルスナーに似ています。おつまみや料理のお供でなく、これだけで味わいたいビールです。と言うか、もったいなくて、料理のお供になんかできないというのが正直なところ(笑)。
 「京都麦酒」も、灘の宮水などの硬水とは違う、伏見の中硬水のまろやかな味わいが生きている口当たりのよいもので、特に「蔵のかほり」にはそこはかとなく伏見の日本酒の女性的な香りを感じました。微妙に日本酒っぽいんです、後口が。

 でも、やはりやはり「ホワイトナイル」。古代エジプト人は、香り高い、すっきりとしたビールが好みだったのですね。暑い地方だからでしょうか。
 ドイツや英国には、より味わいが濃く、色も濃い、どっしりとしたボックやデュンケルやエールがありますし。アイルランドといえば、ギネスに代表されるスタウトですしね。ちなみにフランスは軽めのピルスナーとか、ラガーが多い印象です。パリも、夏は暑いですからね。

 さて、今夏はエンマー小麦入り「ホワイトナイル」が登場するのでしょうか。こんどこそ、早稲田大学の生協へ行くぞ!(<いや、通販あるから)


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右のボトルが「ホワイトナイル」。ラベルには「ウジャトの目」が。
グラスのビールは「京都麦酒」のケルシュです。
「ホワイトナイル」はワクワクしずぎて、写真に撮るの忘れたんじゃい。