Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

「いただきもの」でできています。Part.2

 本日はお酒の話。それも日本酒。これまで日本酒について書いたことってありましたっけ……。
 祖母がひいきにしていた酒屋さんが灘の白鶴酒造の製品を扱っていたので、私の日本酒のオリジンは「白鶴」です。なので、居酒屋などで早く飲み物を決めなければならないとき、夏はビール、冬は「山田錦」をオーダーします。最近、東京でも「山田錦」を置いているところがけっこうあってうれしいかぎり。
 祖母が亡くなり、その酒屋さんとも縁遠くなったころ、いわゆる地場産の日本酒が見直され、ちょっとしたブームになりました。日本酒=一升瓶のイメージから脱して、720ml瓶が普通に見受けられるようになったのもこのころ。もとより江井ケ島という酒造地を抱える明石でも、「今までどこに隠れていた!?」と驚くくらい多種多様の地酒が店頭に並びはじめました。
 このとき、地元でちょっとした評判になったのが、明石市船上町にある明石酒類醸造吟醸酒「明石鯛」です。ほんとに地の酒(笑)。香りのいい日本酒で、とろりとした味わい。飲む前に香りたち、喉をこしたあと、もう一度むあっと香りがたちます。自己主張の強い、重量感のあるお酒ですが、薄味の魚料理のほうが合います。匂いや味が濃いものに合わせると、せっかくの香りがもったいないという印象。


白鶴酒造」のサイト(酒造資料館や美術館もあり)↓
http://www.hakutsuru.co.jp/


「明石酒類醸造」のサイト↓
http://www.akashi-tai.com/


 今年の正月、実家に帰ったら、日本酒のバリエーションが増えていました。ひとつは、灘の神戸酒心館(元・福壽酒造)の桐箱入りの大吟醸「福壽」。もうひとつは、やはり灘の木村酒造の純米吟醸「天乃美祿 瀧鯉」。
 これがどっちも飲みやすい酒で、ついついクイクイいっちゃいました。最初は「福壽」にコツンとした後口を感じて、「『瀧鯉』のほうがイケるわ」と言ったら、母に「『福壽』のほうが桐箱入りで高かったのに」と非難されました(笑)。ところが、御節料理と明石鯛姿焼きをつついて、そこそこおなかがいっぱいになると、「福壽」のほうが美味に感じるように。
 たぶん、新幹線で居眠り、動きのよろしくない空き腹を抱えて帰ってすぐはキレのいい「瀧鯉」が喉ごし、腹落ちともによく、やがて濃いめの味つけの御節料理に舌が慣れてくると、まろやかな「福壽」に「お酒を飲んでいる」という満足感を求めたもの、と。
 正月早々からいいお酒をいただきましたv 幸先がいいやね。


神戸酒心館」のサイト↓
http://www.shushinkan.co.jp/


「瀧鯉」のサイト↓
http://www.takinokoi.co.jp/


 さらに、正月に会った友人から、今年も「宝泉」をいただきましたv 毎年、年賀にいただいているんですよね。こちらは明石市魚住町の茨木酒造「来楽」の吟醸酒。すっきりとした味わいで、アテなしでも美味しくいただける軽めのお酒と思いきや、腹に落ちたとたん、ふわっとやさしい香りの戻りと酔いが来ます。この戻りの香を殺したくないから、アテがいらないとも言えます。
 私は冷やして、ご飯を食べた後にデザート酒みたいに飲んでいますが、お勧めの飲み方があれば、ご教授いただきたいところ。
 茨木酒造は「花乃蔵」シリーズという花酵母を使ったお酒も造っているのです。友人によれば、ひじょうに香りがいいそう。月下美人やアベリアの花酵母のお酒、一度飲んでみたいですね。


 さて、今まで旨いと思った日本酒は数あれど、印象に強く残っているのは、長野県の小野酒造の「夜明け前」。軟水ならではのやわらかいお酒で、まろやかでやさしい、舌の上にいつまでもころがしておきたいような逸品。
 島崎藤村の小説と同じ名前に惹かれてオーダーしたことを覚えています。すでにほかの日本酒の杯をかなり重ねたあとで酔っていたのですが、それでも「お、これは違う!」と記憶に刻まれました。このときは、グルメなデザイナーの方におごっていただいたんですよね(笑)。


「濱田屋」夜明け前のサイト↓
http://www.jizakeya.co.jp/list/yoake.html


 英国にいたころ、会社を辞める前に仕事でつき合いのあった方が、日本から諏訪の宮坂醸造の「真澄」の一升瓶を手土産に訪ねてくださったという思い出もあります。この方と飲むときはいつも、なぜか「真澄」の酒杯を片手にしていたので、わざわざ探してお持ちくださったのでした。
 こちらはすっきりとした、流行の言葉で言えば「淡麗」な飲み口のお酒です。腹落ちしたあと、香りの戻りがないので、どんなお料理にも合います(と、私は思っています)。


「真澄」のサイト↓
http://www.masumi.co.jp/


 自分で開拓した銘柄では、「剣菱」(灘・剣菱酒造)、「浦霞」(宮城県塩釜・佐浦)、「春鹿」(奈良・今西清兵衛商店)などが、居酒屋定番。英国では、日本酒と言えば「澤之鶴」(灘・沢の鶴)しかありませんでした(笑)。
 ……こうして見ると、つくづく共通項のない嗜好ですね。あえて言うなら、地元より南あるいは西の銘柄はない、くらい?


 そして、最後に控えしは、昨年末に滋賀の御方からいただきました「鶴梅の梅酒」。和歌山県の平和酒造から福岡県の酒屋さん経由で、「梅酒〜完熟〜」「梅酒〜すっぱい〜」「ゆず酒」のセットを拝受いたしました。
 平和酒造の酒造りにあるのは「LOHASロハス)」の考え方。地元・和歌山の完熟南高梅、天然柚子を使い、手間と時間をかけてつくられているそうです。
 年末に「Charaberrys」の仕事が一段落した自分的祝賀に「ゆず酒」を開けました。こちらのお酒のラベルはふわふわした素材でできていて、色も図柄もかわいいのですv また、ラベルから伸びた紙の帯が栓を押さえていて、開けるとき、封を切る感じがするのも新鮮です。栓を開いたとたん、濃厚な柚子の香りが溢れ出しました。まさに「溢れ出る」という形容がぴったり。「果汁率50パーセント以上」というのが、素直に納得できます。
 香りだけで心地よくなっちゃうのですが、やはり味わわないとね。ということで、ガラスの杯でひと口、ふた口。酸味がきついところが、酔いたいけど酔えない、でも気づくと酔っているという、なんとも不思議な酔い心地を体験させてくれました。ヤバいです。クセになりそうv
 次は「梅酒〜完熟〜」を開けましょう! 以前に和歌山の御方から自家製の梅酒をいただいたことがあるのですが、香り芳しく、「まろく、甘く、ゆたか」という味わいだったのです。香りと味のバランスが、私の好きなカルヴァドスに似ている感じ。「さすが!」と感動しました(父のつくるいびつな味わいの梅酒とは雲泥の差。父のおかげで、私は長らく梅酒を誤解していたゾ orz)。「鶴梅の梅酒」はどのようなものか、今から楽しみですv


「鶴梅の梅酒」のサイト↓
http://www.tsuru-ume.com/


 お酒も、いただきもので新しい味を拓いている始末。本当にありがとうございます。お心づかいが身にしみます。いただいただけのものを、お返ししたいと思いつつ。