Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

「フランスパン」なら、メゾンカイザー

 最近、よく「パン」の話を聞きます。事務所の所長と奥さんがパンづくりにハマっていて、小麦粉の種類やつくり方などをよく聞く(ご相伴にもあずかる)というのもあるのですが。情報誌などでも「おいしいパンの店」が特集されていたり、デパ地下にパン屋さんが増えたり、まわりがパンだらけになってきたような気がします(笑)。
 以前に吉祥寺に取材に行ったとき、所長が「おいしいパンの店があるから」と連れて行ってくれたところがあります。繁華街から少しはずれたそこは、閑静な住宅街のなかにあって(それもビルの地下)、ガラスごしに外から工房と店舗が見えるという高級仕様。お客さんも多くて、知る人ぞ知る有名店という感じでした。
 でも、味わいは私には今ひとつだったんですね。


 本日、新宿御苑近くのアフレコスタジオに取材に行った帰りに、また所長が「おいしいパン屋があるから」と伊勢丹の地下へ。その一角には、アンデルセンエディアール、アランデュカスプロデュースのbe-ブーランジェピシエなどのブランジェリ(パン屋)でいっぱい。そのなかに、所長のお目当てのメゾンカイザーもありました。


 ここは、パリのメゾンカイザーの日本店のひとつ。フランス国立製パン研究所教授エリック・カイザーが発明した発酵機械でつくられたパンを販売しています。日本風のアレンジなしのパンということで、期待しつつそば粉のバケットと、ライ麦のカンパーニュ、それにキッシュ・プロヴァンサル(野菜のキッシュ)を購入しました。
 バゲットに、ちょうど大家さんにいただいていた箱根の腸詰屋のレバーペーストを塗って食べると、あのパリの味が! 所長から「フランス人が好む味と言われている」と聞いていましたが、好む味というか、パリのパンの味ですよ。ちょっと上品めだけど。


 学生時代にヨーロッパへ行ったときは、リュクサンブール公園近くのパンションに2週間ほど滞在しました。そこでは、夕食はパンションのオーナー夫妻のたっぷりとした手料理だったのですが、朝食はバゲット、バターとジャム、丸鉢で飲むカフェオレのみ。バゲットは毎朝、ブランジェリから買ってきたばかりの焼きたてが用意されているのですが、ちょっと寝坊すると、バスケットの下のほうの前日の残りのバゲットに当たってしまうこともありました。
 フランス人にとってパンとは、ひと昔前の日本人の豆腐といっしょで、毎日買うものなんですね。だから、一日経ったバゲットはカチカチで、そのままでは食べられません。カフェオレに浸してやわらかくふやかしながら食べるのです。……パンションの泊まり客の朝のバゲット争奪戦は熾烈なものでした。
 メゾンカイザーバゲットに、そのときのパンの味をしみじみ思い出しました。そういえば、パリで仕事をしていたときも、バゲットに限らずパンはよく食べたはずなのですが、思い出すのはパンションの朝食のバゲットの味。記憶とは不思議なものです。


 それなりのお値段はしますが、ほかの名だたるブランジェリに比べたら、安めではないかと思います。なにしろ1コが大きい。パリの本場のバゲットを味わいたければ、メゾンカイザーはお薦めです。


「MAISON KAYSER メゾンカイザー」サイト
http://www.maisonkayser.co.jp/


「手づくりハム・ソーセージ『腸詰屋』」サイト
http://www.choudumeya.com/


 内臓系が苦手な私でも腸詰屋のレバーペーストをおいしくいただけるのは、あの独特の臭みをほとんど感じないから。臭みはなくても、レバーペーストならではの“濃さ”はそのままで、パンにつければ、パクパクいけてしまいます。腸詰屋のヴルストやシンケンズルチェ、食べてみたいなあ。

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