今週のお題「マイ・ミュージック」思わず旅に出てしまいたくなる歌
私にとっての「シルクロード」のはじまり、それはNHKで1979〜80年に放映されたアニメ『マルコ・ポーロの冒険』(全43話)です。マルコ・ポーロの旅行記『東方見聞録』を基に、実写とアニメを融合させ、不思議なエフェクトが施された画像がエキゾチックに美しく、完成度の高い作品でした。
いつも旅に出ていて家を顧みない父に反発心を抱いていた少年マルコが、父ニコロと叔父マテオとともにシルクロードの旅に出る物語。毎週、わくわくしながら、テレビにかじりついて観ていたことを思い出します。
アニメ部分の制作はマッドハウス。キャラクターデザインは杉野昭夫。音楽は小椋佳が担当。
NHK製作のアニメーション作品第1弾『キャプテンフューチャー』(1978年放映)とともに、全話DVD BOXが出たら絶対買う作品なんですけど、『マルコ・ポーロの冒険』はNHKにもフィルムが残っていないのだとか。どうして見たいものほど見られないのか、個人的にナゾ。
アニメにハマってから、学校の図書館で『東方見聞録』を読みました。そのあと、神坂智子の「シルクロード幻想」シリーズにハマり、出版社を越えて発表される作品を追っかけました。諏訪緑の『玄奘西域記』で、沈静化していたシルクロードへの夢を呼び覚まされ、平山郁夫の「大唐西域壁画」でなにかもう、実際に行かなくても、その歴史と風景を夢見るだけで満足できる地に昇華してしまった感があります。
実際に行ったら、きっと感動するでしょうけれど。でも私が見たり読んだりして感動した人々や国々は、歴史の彼方、砂の下。
それでも、昔、中国旅行の際に立ち寄った西安で黄色い砂が吹き込む西門や大雁塔を見て、「ここがシルクロードの終点か」(マルコ・ポーロ視点)としみじみしたので、いつか行くことがあるかもしれません。
そんなわけで、急に思いついてamazonを検索し、購入してしまいました、小椋佳のCD「マルコ・ポーロの冒険」。レコードプレーヤーがなくなる頃にLP盤からカセットテープに落したものを持っているのですが、やはりCDのほうが聞きやすいし、音もいいですから。LP盤と同じく11曲入って2000円もかかりませんでした。
早速、お気に入りの「大空から見れば」から「いつの日か旅する者よ」までヘビーローテーションです。
夢だけが持つ、明日という武器で
いつしか道を、きりひらいてる。
そんな人のあとを 追って行きたい。
from「大空から見れば」 詞/小椋佳
ああ、じんわり〜。旅に出たい〜。
「マルコ・ポーロの冒険」もですが、私にはこれを聞くと旅に出たくなるという曲があります。
●「Find your way」(「LINKAGE」/KATSUMI)
同アルバム内の「It's my JAL」も曲名のとおり「旅への誘い」ですけどね。英国滞在中によく聞いていたアルバムなので、これを聞くと条件反射的にヨーロッパ方面に行きたくなります。
●「消灯飛行」(シングル「潮風にちぎれて」/松任谷由実)
私の旅行好きの引き金になった曲。特に夜間発着の飛行機に乗ると、自動的にこの曲が脳内BGMとして流れます。
●「白日夢・DAY DREAM」(同名シングル/松任谷由実)
「距離と時間は愛を超えるの」……超えます。ええ、超えますよ(笑)。
●「青い船で」(「VOYAGER」/松任谷由実)
地球こそ、大きな船。そう思えば、今も私は旅の途中なんですね。
●「TIME FLIES」(「THE BEST 1985-1988」/小比類巻かほる)
このベストアルバムの「TIME FLIES」「MERCY ME」「I'm Here」とアルバム「TIME THE MOTION」の「DREAMER」「リバーサイドパーク」は、なんだか外国の道を歩いているよう気分になる曲です。行きたいというより、すでにどこかの街にいて、ひとりで石畳やアスファルトの道を歩いている自分を映像で見ている気分になります。
●「グランパ」(「Voice」/高橋真梨子)
外国でお世話になった人たちの顔を思い出します。
自家製ワインを飲ませてくれたB&Bのランドロードとか。やっぱりワインを飲みながらいろんな話をした下宿先のランドロードとか。意思疎通がうまくいかないときはイライラしてたけど、通じたとたん、すごく親切にしてくれたナイトスコッツマンの車掌さんとか。エジンバラでヒーターの使い方を教えてくれた、B&Bの陽気なランドロードとか。冬の間は営業していないにもかかわらず、路頭に迷いかけた私と友人を泊めてくれたスヘベニンゲンのB&Bのランドロードとか。「グランパ」なので、この曲で会いたくなるのは御年配の男性ばかり。
●「誰よりも遠くへ」「ぼくのミシシッピー」
(アニメ『トム・ソーヤーの冒険』/日下まろん)
これも旅好きの原点になったと思えてしようがない2曲。
●「Milky Way Dream」(清水玲子イメージアルバム「ミルキーウェイ」/小柴大造)
カタコトと揺られながらの列車の旅に出たくなります。
ちなみにこのアルバム、木根尚登(当時のTM NETWORK)や久保田利伸、エース清水(聖飢魔II)、矢萩渉(安全地帯)が作曲に加わっている、総力結集感のあるイメージソング集なのです。そのわりに、すごくアルバムとしてまとまっていますしね。大好きな一枚です。
●「M0・E・GI(萌葱)」
(やまざき貴子作品集「TIMEMACHINE 時間移動機械」/おおたか静流)
フランスの小田舎かインドネシアに行きたくなる曲です。同アルバムの「RAINY AGAIN」ともども、おおたか静流の作詞。
修羅場に聞いてはいけない曲(現実逃避まっしぐら)、もっともっとあった気がするのですが……。
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