Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

映画『アレクサンドリア』で蒙昧の恐ろしさを知る



 キネカ大森にて『アレクサンドリア』と『アメイジング・グレイス』を鑑賞。どちらも歴史を題材にした大作映画です。


 『アレクサンドリア』はスペイン映画です。
 4世紀、ローマ帝国キリスト教に席巻される過程で、エジプトのアレクサンドリアではヘレニズムの多神教キリスト教により破壊され、次いでキリスト教ユダヤ教の対立が激化します。
 その地に哲学者・数学者・天文学者であり、「叡智の女性」と呼ばれたヒュパティアがいました。都市の為政者は彼女の講義を受け、彼女の知性と美貌を崇敬しています。為政者たちを改宗させ、政治を掌握しようとするキリスト教主教は、ヒュパティアを排除しようと画策します。
 結婚せず、太陽中心説(太陽を中心とした天体の運行システム)の証明に没頭する彼女は、女性の知性を否定するキリスト教には「悪しき存在」。彼女を一途に愛するアレクサンドリア長官オレステス。元は彼女の家の奴隷で、彼女に恋心を抱くも報われず、今は司教の元で修道兵士として働くダオス。ヒュパティアに迫る危機に、二人の男の愛の行方は……。


 1600年前に惑星の楕円軌道を導き出した、最初の天文学者。しかし彼女の叡智は、70万冊の蔵書を誇ったアレクサンドリア図書館のように、「邪教の教え」として切り刻まれ、燃やされ、消失しました。変えようのない史実と、信教が含有する闇にやりきれなさを感じます。


 『アレクサンドリア』予告編:http://www.youtube.com/watch?v=FOrmvCuBpKQ
 

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