Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

フィルム派? デジタル派? ドキュメンタリー映画『サイド・バイ・サイド:フィルムからデジタルシネマへ』



 キアヌ・リーブスが企画・インタビュアーを務め、マーティン・スコセッシジョージ・ルーカスジェームズ・キャメロンデヴィッド・フィンチャーデヴィッド・リンチクリストファー・ノーランスティーヴン・ソダーバーグ、ラナ&アンディ・ウォシャウスキー他、フィルム派、デジタル派、それぞれ話を聞くならこの人だろうと思うメンバーが、「フィルムのファジィな映像が無くなるなんて考えられない」「デジタルになったからこそ生まれた映像がある」等など生々しい声を聞かせてくれます。


 銀塩カメラからデジタルカメラに変わり、被写体深度の浅さ、色味の軽薄さ、輪郭が柔らかく撮れていたものが光と影にくっきり分かれてしまうショック、でもフィルム代や現像代を気にせず何枚でも撮れる経済性、撮ったものがその場で確認できる便利さを感じた方なら、いちいちうなずける話がいっぱい!


 モノクロからカラーへ、サイレントからトーキーへ、そしてフィルムからデジタルへと新たな変革の波を迎えた映画界の今と未来が窺えます。インタビュー映像と具体的な映画映像で構成された99分。映画・映像に興味のある方はぜひ! 12月22日〜渋谷UPLINK、新宿シネマカリテから順次全国公開。


 『サイド・バイ・サイド:フィルムからデジタルシネマへ』サイト:http://www.uplink.co.jp/sidebyside/
 『サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ』予告編:http://www.youtube.com/watch?v=mOXKQaxUqsc
 

<追記>
 昨日は『サイド・バイ・サイド:フィルムからデジタルシネマへ』について本広克行氏のトークイベントに参加。
 『踊る大捜査線』の4本の映画について撮影方法の変遷から「ここだけの裏話」、フィルムからデジタルに移行するきっかけになった『7月7日、晴れ』のこと、フィルムとデジタルの映像の具体的な差異など、興味深い話、面白い話が満載でした(映画監督の近藤玄隆氏がトークショーについて書かれています>http://harubaseballfilm.blog108.fc2.com/blog-entry-227.html )。
 テーマが映画映像だったので『サイコパス』の話は出ませんでしたが、監督が目指されている「還元」のひとつなのかなと思いました。


<追記2>
 撮影技術のデジタル化と映画館における映写技術のデジタル化は密接に結びついていて、映画館閉館に至る深刻な問題を抱えています。
 私には解決策など浮かびませんが、大スクリーンで映像を見る楽しさを周知するという意味で、野外上映会など面白いのではないかと思います。薪能みたいな感覚で。
 イタリア・マントヴァでは夏の夜にドゥカーレ宮殿で野外上映会が行われます。宮殿の中庭にパイプ椅子を並べて、城壁に垂らした巨大スクリーンに映すという趣向。裏門から料金を払って入ります。全席自由ですが、城壁のかなり高いところに映写されるので、前の人の頭が邪魔なんてことはありません。
 広い中庭は老若男女でいっぱい。ジェラードやスナックのスタンドも出てお祭りの雰囲気です。湖からの風が心地よい宵にマントヴァ市民の皆さんと観た『インディペンデンス・デイ』は、映画そのものに感じたものとは別の感動があり、その感動をこれだけ多くの人と分かち合えているということにも感動しました。
 『ニュー・シネマ・パラダイス』をご覧になった方は、アルフレードが窓から街角の建物の壁に映画を映したシーンを思い出していただければ。家で映画を見慣れた人たちに、大スクリーンで観る映像の迫力と大勢の人と感動を共有できる楽しさを知ってもらうことから始めるのも手ではないか、と思います。


 素人考えです。野外上映会の集客が映画館の集客につながるかもわかりません。文化財クラスの史跡で上映会などできるのか、という問題もあるでしょうし。
 でも、これからの映画館にはイベント的な要素というか、映画上映に+αのステイタスが求められている気がしています。