映画『華麗なるギャツビー』でディカプリオの“純”な演技に感動する!
『華麗なるギャツビー』3D鑑賞。原作は、20代に第一次世界大戦を経験し、善悪を含めた従来の価値観に懐疑的になり、生死の実感さえ失った「ロストジェネレーション(失われた世代)」の代表作。
舞台は、第一次世界大戦が終わり、「永遠の繁栄」と呼ばれる好景気に沸く1920年代のニューヨーク。連日連夜のパーティーに沸く富裕層の中には、禁酒法の下で密造酒やギャングとのつき合いで成り上がる者もいた。一方で広がっていく貧富の格差とモラルの低下。そして1929年の世界恐慌を呼ぶことになる実体のない投機熱。
堕落した世界の中で純愛を求める男と、純愛を求めながら俗に染まりきった女。『モンテ・クリスト伯(巌窟王)』的復讐譚の要素を持ちながら、エンディングに漂う虚しさの性質の違いがロマン主義とロストジェネレーションの違いですね。
ニックって「いい人」だなと、彼を唯一の友にできるくらいギャツビーは純だったのだなと、総じての感想です。
3Dならではのカッティングもありましたが、全体的には使いこなせてない感がありました(←偉そう)。『レ・ミゼラブル』でも思いましたが、語り手のアップの後ろで事象が動いている様子を見せるって、なんか古くさく安っぽく感じます。それが効果なのかもしれませんが……。
ひとつ注目したいのは、湾を隔てて立つギャツビー邸とブキャナン邸、それと石炭殻廃棄場にある眼科医院の看板こと「神の目」が異様に大きく映されるんですね。人間が小さな人形に見えて、不自然なんです。
意図がわかるようでわからないカメラワークに注意して観るのも面白いかも。
配役はハマっていて、特に桟橋に立つレオナルド・ディカプリオの後ろ姿など、万の言葉よりギャツビーの純粋さを語っていました。
ディカプリオには『バスケットボール・ダイアリーズ』を観た時に「ものすごく演技力のある俳優さんだな」と感心して以来、その思いはどの作品を観ても変わりません。そろそろ彼のような多層の演技ができる若手の俳優さんが出てこないものでしょうか。
最後に、この映画、バブル景気を体験した日本人にこそわかるというか、身につまされるものがあると思います。
『華麗なるギャツビー』サイト:http://www.gatsbymovie.jp/
『華麗なるギャツビー』予告編1【HD】:http://www.youtube.com/watch?v=UCTPF4DivkA
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