Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

シリアスなコメディ、その絶妙が生む混沌 映画『グランド・ブダペスト・ホテル』



 『グランド・ブダペスト・ホテル』は「ドラメディ(ドラマとコメディのミックス作品)とはなんぞや」がよくわかる作品です。
 めまぐるしく変わるシーンシーンにチャップリン映画を彷彿させる風刺を秘めたコントがくり出されますが、ホテルの上顧客マダム・Dの不審死から始まる連続殺人が物語を貫通していて、細切れという印象は抱かせません。


 1930年代にセレブの社交場として建てられた絢爛豪華なホテル。今は寂れたそのホテルに投宿した小説家は、富豪と噂されながら、狭い従業員部屋で暮らす謎多きオーナーと知り合い、インタビューを試みる。
 戦争孤児で貧しい移民だったオーナーは、華麗を誇った時代のホテルにベルボーイとして勤めていた。彼の上司である中年のコンシェルジュレイフ・ファインズ)は、気が利くと顧客からの信頼厚く、特に老齢の未亡人には夜の相手としての評判も上々だった。
 そんな老未亡人のひとり、マダム・Dが彼女の城館で亡くなった。知らせを聞いて駆けつけるコンシェルジュとベルボーイ。マダムはコンシェルジュに城館で唯一価値がある絵画を遺していた。反対する遺族の目をかすめて絵を奪い、ホテルに帰るふたり。絵の裏には「私が殺された場合の遺言書」があり、それにはとんでもないことが書かれていた。
 一方、絵と最後の遺言書を追って、マダムの息子が刺客を放つ。次々と殺されていく関係者に、迫るナチス・ドイツの軍隊。監獄から脱出したり、ホテル仲間に助けられながら逃げ回ったり。
 状況はシリアスなのに、言うこと、為すこと、コメディタッチなので、だんだん常識がおかしくなっていくような感覚に陥ります(笑)。


 砂糖菓子のようなデコラティブなホテルを舞台に、砂糖菓子が重要なアイテムになるところも憎い! エキゾチックな音楽もいいのです♪


 『グランド・ブダペスト・ホテル』サイト:http://www.foxmovies.jp/gbh/
 『グランド・ブダペスト・ホテル』予告編:http://www.youtube.com/watch?v=xlgZQpYGnow