Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

凡人が天才に迫る“追いつめ愛” 映画『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』



 『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』は「悪魔に魂を売り渡して手に入れた」超絶技巧を誇る希代のヴァイオリニストにして作曲家、ニコロ・パガニーニとマネージャーとして彼に付き従ったウルバーニの物語。


 パガニーニ役は「21世紀のパガニーニ」との呼び声も高いヴァイオリニスト、デイヴィッド・ギャレット。クラシックにこだわらず、バンドを率いてクラシックとロックのクロスオーバーを試みたり、モデルを務めたり、演奏技巧のみならずパフォーマンスの才のあったパガニーニを演じるにふさわしい人物。ギャレットのヴァイオリンをサラウンドで聴くだけでも、映画館で観る価値があります。


 ストーリーは、ゲーテの戯曲『ファウスト』を、ファウストパガニーニメフィストフェレス=ウルバーニ、グレートヒェン=シャーロットで翻案したようという印象。
 パガニーニに対するウルバーニの執着がまさに“愛と狂気”。BLなんて甘いものじゃない。プラトニック・ホモの極地と断言します。


 脚本・演出は、観客がパガニーニという人物についてそこそこ知識があることを前提に、彼を現代のロックアーティストに通じるパフォーマーとして描いているので、説明不足&イメージ先行が否めないのですが。ジャレッド・ハリス演じるウルバーニの“追いつめ愛”の凄まじさはよく伝わってきます。


 本作の監督・脚本・撮影を務めたバーナード・ローズは、『不滅の恋/ベートーヴェン』の監督・脚本でもあります。『不滅の恋/ベートーヴェン』を観たとき、ローズは生で美味しい素材を、刺身ではなく、カルパッチョにしちゃう監督さんという印象を持ったのですが、本作ではいっそうその思いを強くしました(カルパッチョも好きですけど!)。


 『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』サイト:http://paganini-movie.com/
 『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』予告編:http://www.youtube.com/watch?v=wp0vuaMkEqU
 



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