ボカロクラシカ「夜の女王のアリア」
『魔笛』は、1791年にモーツァルトが友人のシカネーダー一座のために書いた、生涯最後のオペラです。このなかで歌われる「夜の女王の2つのアリア」のうち「2番目のアリア」は、数あるオペラ曲のなかでも、稀な高音での2オクターブにわたる詠唱という、コロラトゥーラの声質と超絶技巧が要求される至難の曲とされています。
それをボーカロイドに歌わせてみましたということで、「夜の女王の2番目のアリア」をご紹介。もうKAITO兄さん、すごすぎ! すごすぎて、なんだかおかしな笑いがこみあげてきます。人間だと、聞いているほうが思わず緊張するような最高音部も、安定して歌い上げてしまうのは、マシンボイスならではですね。
比較に、初音ミクに歌わせたものも張っておきます。こちらはとってもかわいいけど、最高音部に電子音が出てしまって、オペラっぽくはないかな。復讐に燃えて、娘に宿敵ザラストロを殺させようとする母たる夜の女王より、娘のパミーナのほうが似合いそう。
YOUTUBE「【KAITO】 魔笛 夜の女王のアリア2 [STEREO]」↓
ニコニコ動画「【KAITO】 魔笛 夜の女王のアリア2」↓
YOUTUBE「初音ミク/魔笛:夜の女王のアリア2[STEREO]」↓
ちなみにモーツァルトは、声も楽器の一種と考えていた節があるので、案外、ボーカロイドに合うのかもしれません。そのあたり、突っ込むとおもしろそうですけどね。
誤解のないように書いておきますが、詠唱としての「夜の女王の2番目のアリア」は、やはり人間が歌ってこそ、その本来のすばらしさが発揮されると思います。歌える人は世界に10人もいないと言われている、難易度最高の楽曲なんですから。実際、コロラトゥーラ歌手に歌われているアリアを聞けば、その音の表現法、質、感情の含みが、ボーカロイドとはまったく違うことは明白です。
ただ、ひとつの「演奏される曲」として見たとき、そこにボーカロイドという楽器が加わって、この時代ならではの新しいアレンジの「夜の女王の2番目のアリア」が完成しているのではないかと感じるのです。
ついに「VOCALOID」タグを増やしました orz。タグのクリックで、今までのボカロ関連記事を抽出できます。……今さらやけど、ほんまにハマってもうたなあ。
- 出版社/メーカー: クリプトン・フューチャー・メディア
- 発売日: 2006/02/17
- メディア: CD-ROM
- 購入: 4人 クリック: 899回
- この商品を含むブログ (30件) を見る
- 出版社/メーカー: クリプトン・フューチャー・メディア
- 発売日: 2007/08/31
- メディア: CD-ROM
- 購入: 30人 クリック: 4,650回
- この商品を含むブログ (480件) を見る