Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

北原文野の絶版コミックが同人誌も加えて電子書籍に!

 北原文野のマンガ「<P>シリーズ」は、息の長い作品であるだけに絶版になったコミックも多く、シリーズの続きや番外編が描き下ろされた同人誌もなかなか手に入らないという状況にありました。
 それが、なんとまとめて読めるように! 1月9日から順次配信されている「コミックターミナル」の北原文野関連書籍では、商業誌発表作品にプラス、それに関連する同人誌発表の番外編もいっしょに収録されています。価格も1冊420円(税込)とお手頃!
 ただし、対応OSはWindows2000・XP・Vistaのみで、相変わらずMacユーザーは虐げられておりますけどね(苦笑)。


 「コミックターミナル」で配信中の「<P>シリーズ」は以下のとおり。
<Pシリーズ1> 『L6〜外を夢みて〜』
 収録作品:『L6〜外を夢みて〜』『草原の子ども』『残像』

 『L6〜外を夢みて〜』は<P>シリーズの最初の物語。超能力者が「P(混乱させるもの)」と呼ばれ、迫害されるようになるきっかけになった事件を描く。絶版になった同タイトルのコミックの復刻。『草原の子ども』は『L6』に登場するロカルーの子ども時代の、『残像』は『夢の果て』の主人公スロウ・ケアクがその思いで未来と今をつなぐ掌編(どちらも同人誌初出)。


<Pシリーズ2> 『あてどない夜』
 収録作品:『あてどない夜』『7時に迎えが、、』『小さな籠の中』『金色の昼と銀色の夜』『夜明けまで』

 商業誌(「プチフラワー」小学館)で初めて発表された<P>シリーズ。シリーズのメインキャラクターのひとりであるトゥリオ・トールとアリステア・ドーサの邂逅を描く。「ボーイ・ミーツ・ガール」がテーマで、シリーズのなかでは比較的明るく、入りやすいストーリー。別名「アリステア4部作」。プラス、トゥリオとPを助けるレジスタンスとなったスロウの出会いを描いた『夜明けまで』を収録(SG企画の「グループ」初出)。

  
<Pシリーズ3> 『クァナの宴 Vol.1』
 収録作品:『クァナの宴』前編
<Pシリーズ4> 『クァナの宴 Vol.2』
 収録作品:『クァナの宴』後編、『花〜SSPリーによせて』

 <P>シリーズのメインキャラクターのひとりで、Pにとっては「迫害者の総帥」であるゲオルグ3世。その甥であるクァナ・クニヒコを中心とした物語。クァナを通してゲオルグ3世の心の暗部が垣間見られたり、クァナが起こす行動がスロウ&トゥリオやリーとクロスオーバーしたり……。<P>シリーズの各キャラクター、各イベントのピースをつなぐジョイント部分でもあります。『花〜SSPリーによせて』は、PでありながらPを狩る者となったリー・カールセンの哀しい胸の内を綴った掌編(同人誌初出)。


<Pシリーズ5> 『砂漠に花を…』
<Pシリーズ6> 『砂漠の鳥たち』

 収録作品:『砂漠の鳥たち』『SNOW FESTIVAL〜雪の日〜』
<Pシリーズ7> 『砂漠をわたる風』前編
<Pシリーズ8> 『砂漠をわたる風』後編

 切ない話がほとんどの<P>シリーズのなかでも、苦しいほどに切々とPの悲劇を訴えてくるのが、リー・カールセンを主人公とした「砂漠シリーズ」。じわじわと袋小路に追いつめられていくこの感じは、言葉では表現できません。ぜひ読んで味わってみてください。『花』と『鳥』は絶版コミックの復刻。『風』は同人誌で発表されたもの。『SNOW FESTIVAL〜雪の日〜』は、Pが最後に行き着いた逃亡場所である“地上”で「若長老」と呼ばれるアライアンと、<P>シリーズを通じて味のある役で登場するゴディのほのぼのエピソード(同人誌初出)。


 商業誌発表分と同人誌発表分を組み合わせて、「<P>シリーズの年表順に近い構成になっておりますので、普通に読みながら流れがわかるようになっているはず」(「コミックターミナル」編集者・談)とのことですので、初めての方も入りやすいと思います。読みのがした方も、この機会にぜひ!


「コミックターミナル」サイト
http://www.comic-terminal.jp/plaza/exec/top

「コミックターミナル」北原文野ページ
http://www.comic-terminal.jp/plaza/exec/author/search/do?authorName=%E5%8C%97%E5%8E%9F%E6%96%87%E9%87%8E


 マンガのダウンロードサイトとして知られる「eBookJapan」でも、ずいぶん前から絶版のコミックが配信されています。こちらはあくまでもコミック収録分のみ。同人誌の作品は入っていません。1冊315円(税込)。Windowsのみ対応。
『L6―外を夢みて―』 (<P>シリーズ)
『クァナの宴』第1巻・第2巻(<P>シリーズ)
『砂漠に花を…』(<P>シリーズ)
『砂漠の鳥たち』(<P>シリーズ)
『魂を鎮める歌』
『時のほとりに』
『もうひとつのハウプトン』

「eBookJapan」北原文野ページ
http://www.ebookjapan.jp/shop/author.asp?authorid=2130

 「eBookJapan」配信の上記コミックスは「YAHOO!コミック」でも配信されているようです。有効期限(80日)つきですが、1冊294円とお安め。対応OSですか? もちろんWindows2000・XP・Vistaでーす(ヤケ!)。

「YAHOO!コミック」北原文野ページ
http://comics.yahoo.co.jp/list.html?list=author&author_id=kitahara01


 でも、まずは『夢の果て』を読んでもらいたいなと往年のファンは思うわけですよ。やはりここが<P>シリーズのすべてが詰まった原点だと思うので……。
 『夢の果て』は電子書籍にはなっていません。ハヤカワ文庫JA早川書房)より、全3巻発売中。分厚い文庫サイズで、1冊840円(税込)です。全国書店か、amazon7&Yなどのネット通販で購入できます。


夢の果て (1) (ハヤカワ文庫 JA (703))

夢の果て (1) (ハヤカワ文庫 JA (703))


夢の果て (2) (ハヤカワ文庫 JA (705))

夢の果て (2) (ハヤカワ文庫 JA (705))


夢の果て (3) (ハヤカワ文庫 JA (708))

夢の果て (3) (ハヤカワ文庫 JA (708))