Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

ビフォー/アフターがおもしろい『温泉(秘)大作戦』!

 「土曜ワイド劇場」で、私がいちばん楽しみにしているシリーズと言えば、コレです。『温泉(秘)大作戦(おんせんまるひだいさくせん)』! 今日はその第6話目「旬を喰らう真夏の伊勢志摩・アワビの踊り食い、海女さん料理、夏野菜そして真珠をめぐる謎の連続殺人事件」でした。……サブタイトル、長っ!


 なにがいいって、「温泉旅館のしかけ屋」「立て直し屋」と呼ばれる城之内コンサルティングのメンバーが、それぞれのアイデアで低迷する旅館を改良していく過程がけっこう現実味があっておもしろいのです。
 このたびの伊勢志摩の旅館は、女将と従業員の意識改革のほうが重点だったので、あんまり目立ったインテリアの改装などはなくてちょっと残念だったのですが、他のエピソードではビフォー/アフターの違いに目を見張ることも。


 温泉旅館で感じるのが、ラウンジやロビーの洗練されてなさと売店の浮きっぷり。ちょっと鄙びた温泉に行けば、花などが描かれた色あせた色紙が壁を飾っていたり、コケシ、日本人形、果ては北海道の木彫りの熊まで並んでいるんじゃ……という「ここは個人宅ですか!?」みたいな雑多な飾りつけなど、味わいはあるんだけど、「自宅とは違う空間」が望まれる旅館としてはどうだろうと思うこともあるので、そういうところに切り込んでいくエピソードにはとても共感します。
 女将と支配人の立場、客には見えない仲居さんの仕事や板場のようす、旅館組合のあり方や温泉地区の再開発の話など、旅館が抱える内情事情を知ることできるのも、この番組のいいところ。さらに、偽の関サバや偽パールなど、ブランド偽装や流通の問題にも食い込んでくれるので、時事問題と絡めて「ああ、そういうことか」と知識になることもしばしば。
 また、「創作料理のスペシャリスト」こと島慎之介が毎回披露してくれる、地産地消(地域で生産された農産物や水産物を、その地域内で消費すること)の精神に則ったユニークなお料理は、もう垂涎もの。毎回毎回、「これはどこの旅館に行ったら食べられますか?」状態なのですが、特に今回の「旬を喰らう」をテーマにした、アワビの踊り食いに地場産の夏野菜のかぶりつきは、「ちょっと今から伊勢志摩に行ってきます!!!」と旅立ちそうになりました。


 旅館経営のコンサルタント「城之内コンサルティング」のメンバーは以下のとおり。
星野さつき森口瑤子
 経営のスペシャリスト。元銀行員でフィナンシャル・プランナーの資格をもち、帳簿を見るだけで、その旅館の問題点を把握してしまう。旅館に「資金の使い方」を指導するほか、裏帳簿やスタッフの使い込みなどの不正も正す。前向きで笑顔を絶やさず、「笑顔が接客の基本」と身をもって教え、旅館に明るいムードをもたらしている。


島慎之介(東幹久)
 創作料理のスペシャリスト。通称「慎さん」。佐賀関出身。地場の農産物・水産物・畜産物を自分の目で確かめながら調べ上げ、その土地、その旅館ならではの料理を考案。味覚から旅館の立て直しを図る。なにごとにも真面目な性格で、常に客と料理に誠実でありたいとする態度は、板場の意識改革に役立っている。しかしそのまっすぐすぎる性格が、行く先々の板場で対立を生む原因ともなっている。エピソードは、彼の過去に絡むものが多い。


桜井恵美(第1話〜第3話/星野有香
 おもてなしのスペシャリスト。アメリカの大学でホテル経営を学ぶ。「旅館のサービスとはなにか」という基本から、気配りの行き届いた接客を指導。ラウンジや客室の改装から、生け花や小物づかいの装飾まで、その旅館に合った快適な空間を演出する。


森田梢(第4話〜/高樹マリア
 おもてなしのスペシャリスト。フランスのホテルでコンシェルジュを務めていた。桜井と同じく、接客術や空間演出に長けている。


岩田幸平(村田雄浩)
 温泉のスペシャリスト。温泉の泉質分析は天才的で、効能や成分を的確に把握する。元刑事で、どこへ行っても地元警察と友好的な協力体制を築いてしまう。刑事時代、張り込み先の旅館で、流れの料理人のようになっていた島と出会った。出会いの印象か、つき合いが長さからか、島の「ふらつき」を察しており、ときには叱咤し、ときには労り、兄弟のように接する。


城之内愛子野際陽子
 城之内コンサルティングの社長。元ホテルインスペクターで、業界の事情に精通している。旅館コンサルタントとして、知らぬ者のいないほどのカリスマ的存在。おいしいものに目がない(毎回、いいものばっかり食べていて、うらやましいかぎり……)。星野たちを信頼しており、ホテル・旅館が買収の危機に陥るなどの大事になれば、フォローを惜しまない。
 ホテル・旅館を買収し、鄙びた温泉街をリゾート開発することで成長してきた大手ホテルチェーン「グローバル開発」と対立関係にある。城之内とグローバル開発社長・進藤聖子(朝丘雪路)と顔なじみで、敵対しながらも、実は同じ理想を求める者として認め合ってもいる、複雑な間柄。

<放送データ>
第1話(2004. 2)「星野さつきの事件簿 伊豆稲取で海の宝石ギンディをゲットせよ」
第2話(2005. 1)「大分佐賀関で海の奇跡関サバをゲットせよ」
第3話(2006. 4)「北海道松前で海の王者本マグロをゲットせよ」
第4話(2007. 7)「能登半島輪島を巡る究極のズワイガニと伝統の技・輪島塗の美に隠された連続殺人の謎!」
第5話(2008. 1)「下関産ふぐと日本海イカ 秋吉台萩焼き、長門湯本温泉郷をめぐる連続殺人事件の謎」
第6話(2008. 8)「旬を喰らう真夏の伊勢志摩・アワビの踊り食い、海女さん料理、夏野菜そして真珠をめぐる謎の連続殺人事件」