『聖剣の刀鍛冶』16巻は、読みたかった「ヴァルヴァニル戦」後日譚
『聖剣の刀鍛冶』16巻(三浦勇雄/MF文庫)読了。15巻が出た時、「最終巻」となっていたので、「終わってしまったかあ」の感慨と共に物足りなさを感じたんですよね。聖剣を鍛え上げ、ヴァルヴァニルに挑むまでが長かったので、「え、これで終わり!?」って。なんか余韻が足りないというか。
そうしたら16巻ですよ! 8月に発売されたのに、気づいたの最近ですよ!
読後、三浦先生が16巻を書いてくださってよかったと思いました。ヴァルヴァニル戦後の見たかった光景、知りたかったことがすべて描かれていて、長くつき合ってきたキャラクターたちの人生を最後まで見届けることができました。余韻そのものでした。
ライトノベルで登場人物の人生の最初から最後までが書かれるって、なかなか珍しいのではと思います。読み返せば、常に「死」がまとわりついていた作品でしたが、その死が未来へつながるものとして描かれて終わったのは本当によかった。読み続けたかいがありました。
『聖剣の刀鍛冶』との出会いは、2010年2月に出たアニメ版の『聖剣の刀鍛冶 公式コンプリートブック』のカバー&ポスターに入れる英文リードを頼まれたことです。アニメに登場するセリフを翻訳するだけ。でも作品の内容がわからないとできないんです。
たとえば「光と影」を英訳する場合、「light & shadow」か「brightness & darkness」か「legality & illegality」か、どのあたりのニュアンスが合っているのかはアニメを観てみないとわかりません。さらに不明な点も出てきて、原作小説に当たることになり、1巻を読むやいなや、どっぷりハマってしまったのでした。
それから4年のつき合い。途中、若干中だるみを感じましたが、でもどれも捨てられないエピソードだったんだなあと16巻を読み終えて思います。
ラノベで新刊を追っているのは「封殺鬼」シリーズとこれだけだったので、ひとつが完結してホッとしたような寂しいような……。
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