Diary For Paranoid @ hatena

思いつくまま書くブログ。最近は窪田正孝出演作品感想に特化してます(笑)。

感想

ロビン・ウィリアムズ追悼 映画『バードケージ』は芸達者ぞろいの名作コメディ

ロビン・ウィリアムズが8月11日に亡くなられていたのですね。 シリアスからコメディまで、ファンタジーからSFまで、人情ドラマから社会問題を扱ったものまで、幅広い作品の多くで主人公やメインキャラクター演じてこられたウィリアムズ。なかでも私は『ミ…

映像関係者必見! 完成しなかった映画の証言映画『ホドロフスキーのDUNE』

渋谷のアップリンクに『ホドロフスキーのDUNE』の試写会に行ってきました。 デヴィッド・リンチ監督、カイル・マクラクラン主演の映画『デューン/砂の惑星』は、ご存知の方、多いですよね。それより以前にアレハンドロ・ホドロフスキー監督が制作を進めてい…

人形に命を与える作り手の愛! 3DCG映画『パラノーマン ブライス・ホローの謎』

新宿バルト9で『パラノーマン ブライス・ホローの謎』鑑賞。クレイ製の人形をはじめ、造形物が驚くほど滑らかに動いていて、表情も豊かで自然で、3Dクレイアニメの最先端との評判にうなずきました。1コマ1コマ、少しずつ動かして撮影するため、アニメ制…

「アラン・レネ追悼特集」映画上映会で『去年マリエンバートで』を観る

アンスティチュ・フランセ日本にて5月9・10日開催の「アラン・レネ追悼特集」映画上映会に参加。『慎み深い革命家、アラン・レネの方法論』『ガーシュイン』『薔薇のスタビスキー』『去年マリエンバートで』を鑑賞。濃い時間を過ごしました。 『慎み深い革命…

「『グランド・イリュージョン』プレミアムBOX」は劇場版+αの発見があって大満足!

「『グランド・イリュージョン』プレミアムBOX」が到着したので、日本語吹替を早速視聴。 映画館で観ているので結末も「あの人」の正体も知っているのですが、見返しても面白い! 特にオープニング&エンディング含めて9分ほどシーンが追加されているエクス…

アニメ映画『劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹』は怒濤の展開に涙が追いつかない!

『劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹』の試写会に行ってきました。 壮絶で美麗! 藤澤経清氏が原案者の立場で「『薄桜鬼』シリーズに、ゲームやTVアニメとはまた違う、劇場版第一章・第二章という新たな物語が加わった」とおっしゃっていましたが、『碧血録』を…

ドラマCD『百器徒然袋』雨3巻+風3巻を聴いてみた!

昨年12月15日に届いたドラマCD『百器徒然袋』雨3巻+風3巻と特典キャストトークCD3種(CDの色が金・銀・銅色ってメダルですか!?)。昨夜、ようやく「まずは1巻を聞いてみようか」と聞き出したら、止まらずに一気に全巻聞き通してしまいました。い…

噛み合った歯車のごときミステリー 映画『鑑定士と顔のない依頼人』

『鑑定士と顔のない依頼人』は、『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』などで知られるジュゼッペ・トルナトーレの監督・脚本作品です。 絵画はもちろん古家具・骨董品まで網羅する、確かな見識で誉れ高い鑑定士であり、名オークショ二ア(競…

アニメショートフィルム『寫眞館』&『陽なたのアオシグレ』でアニメ表現の無限の可能性を見る!

アニメショートフィルム『寫眞館/陽なたのアオシグレ』が京都と東京で上映中。アニメのさまざまな表現から存在意義まで考えさせてくれる2本です。 『陽なたのアオシグレ』は気になる女の子に告白できない男子小学生の妄想が炸裂。かわいいけど、突拍子もな…

マジックによる華麗にすぎる完全犯罪! 映画『グランド・イリュージョン』

これは途方もないマジックの物語。ハリウッドのショー舞台にいながら、パリ9区にある銀行の金庫から320万ユーロの紙幣を消失させ、客席に紙吹雪のように降らせる。ニューオリンズの舞台では、災害被害者に保険金を払わなかった保険会社のオーナーの銀行口座…

映画『ブロークンシティ』は人間の普通サイズの変化を堅実に描く硬派なサスペンス作品

『ブロークン シティ』は派手より堅実を選んだ映画。 一日一日を金にあくせくしながら暮らし、恋人の成功にもやもやする普通の男が、誇りと正義に目覚めていく。ただし、新たな能力や強力な武器を手に入れるのではなく、あくまで普通サイズで。 その普通サイ…

映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』は「新しくて、懐かしい」!

今夏の私的大本命『スター・トレック イントゥ・ダークネス』3D吹替版鑑賞。2、3年内に私が観た映画でベストと言ってもいい! もう最高!! 最初から最後まで息をつかせぬ緊迫感あふれる展開。誰が味方で、誰が敵で、誰が言ってることが正しいのか。謎が謎…

アニメ映画『風立ちぬ』は、夢に向かって突き進む者に幸せな作品

北フランスの海辺の町オンフルールの通りを歩いていたおり、緩い坂を上がって角を曲がったとたん、強い海風に煽られました。その時、自分には体があるんだなって、風の妨げになる程度にはこの地上に存在してるんだなって感じました。この風を感じる私は今、…

これはハーロックの「過去か未来か」 フル3DCG映画『キャプテンハーロック』

昨日、9月7日公開のフル3DCGアニメ『キャプテンハーロック』の2D版の試写会に行ってきました(以下、セリフ、登場声優さんは若干あやふやです)。 映像の印象は『FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN』に似てます。キャラクターが全員、硬質に美しく、カ…

アニメ映画『劇場版 薄桜鬼 第一章 京都乱舞』はTV版とはひと味違う!

一昨日、『劇場版 薄桜鬼 第一章 京都乱舞』の試写に行ってきました。 TV版全12話の総集編と言いつつ、映像はすべて新規制作。『薄桜鬼』を知らない方でも、この映画を観れば、どういう物語かわかります(と、これまで『薄桜鬼』を知らなかった男性ライター…

映画『パシフィック・リム』で、なにもかもが規格外の3D映像に圧倒される!

『パシフィック・リム』3D吹替版鑑賞。これまで3D映画は4作しか観ていませんが、一番、3Dの見え方を理解して効果的に利用している作品という印象をもちました。映像の迫力がすごかったです。ロボットがコンテナトラックつかんで、タンカーつかんで、怪…

映画『華麗なるギャツビー』でディカプリオの“純”な演技に感動する!

『華麗なるギャツビー』3D鑑賞。原作は、20代に第一次世界大戦を経験し、善悪を含めた従来の価値観に懐疑的になり、生死の実感さえ失った「ロストジェネレーション(失われた世代)」の代表作。 舞台は、第一次世界大戦が終わり、「永遠の繁栄」と呼ばれる…

映像による叙述トリックの妙! 人と死者の身代わりロボットの想いが切ないアニメ映画『ハル』

『ハル』を鑑賞。私の場合、感動より驚きが勝りました。まさか映像で叙述トリックをかまされるとは……。「ああ、こういうことができるんだ」と、これは実写の脚本家ならではの発想というか技法というか。 冒頭から違和感があるんですよ。「ん? んんん〜?」…

さまざまな水の描写とまとまりのいい物語が気持ちを浄化する……アニメ映画『言の葉の庭』

アニメーションにCGが取り入れられて何が一番変わったか。私の感覚では「水の描写」です。『009 RE:CYBORG』でそれを感じたのですが、『言の葉の庭』は雨がポイントになっているだけに、さまざまな水の形態の表現をこれでもかと見せてくれました。 空から降…

ブッダとイエスのほのぼの立川ライフがアニメで動く! 映画『聖☆おにいさん』

劇場アニメ『聖☆おにいさん』鑑賞。中村光先生のマンガがフルカラーで動いてました! 背景は手描きの線描を残しながらも、描き込みが細かくてリアルなんです。そこに二次元の、あのペンタッチのキャラクターがはめ込まれて動いてる。それが妙に自然で、日常…

フィルム派? デジタル派? ドキュメンタリー映画『サイド・バイ・サイド:フィルムからデジタルシネマへ』

キアヌ・リーブスが企画・インタビュアーを務め、マーティン・スコセッシ、ジョージ・ルーカス、ジェームズ・キャメロン、デヴィッド・フィンチャー、デヴィッド・リンチ、クリストファー・ノーラン、スティーヴン・ソダーバーグ、ラナ&アンディ・ウォシャ…

映画『のぼうの城』は滑稽の神髄! 狂言師・野村萬斎の魅力が炸裂!!

『のぼうの城』鑑賞。「史実を描いたスペクタクル映画がこんなに面白くっていいの!?」って思いました。個人的に5つ星☆です。 能楽の中の「狂言」は型で滑稽を表現し、観客を笑わせる芸能。伝統芸能であるからには受け継がれてきた「型どおり」であるべきな…

高村薫の原作小説の泥臭く乾いた空気を忠実に映像化! 映画『黄金を抱いて翔べ』

『黄金を抱いて翔べ』鑑賞。いやあ、いい映画でした! 高村薫の原作小説を読んだのは20年近く前のこと。いろいろ忘れていましたが、映像を観ているうちに思い出しました。特に幸田とモモちゃんは「ああ、そうそう、こんな感じだった!」と懐かしい人に再会し…

映画の原点を観る! 『メリエスの素晴らしき映画魔術』&カラー復元版『月世界旅行』

17日19:30〜キネカ大森にて『メリエスの素晴らしき映画魔術』&カラー復元版『月世界旅行』を鑑賞しました。『月世界旅行』は活弁士・山崎バニラさんの語り付き! 見逃しそうなポイントを山崎さんが面白おかしく解説してくださって勉強になりました。「近く…

映画『天地明察』は岡田准一のキラキラ瞳と明快さが最高に心地いい!

『009 RE:CYBORG』を観たあと、滝田洋二郎監督の『天地明察』を鑑賞。「これぞ明快!」と感嘆しました。 映像のために物語があるのではなく、物語のために映像がある。過不足ない描写で、「この作品で伝えたいこと」が真っ当に伝わってくる心地よさ。 登場人…

『009 RE:CYBORG』はアニメ最高峰の3D体験と形而上学的なラストに頭脳が揺すぶられる不思議映画

『009 RE:CYBORG』は70年代SFを感じる映画でした。「レミング現象」と「(表象的な)胡蝶の夢」かあ。さて、「サイボーグ009」シリーズで未完の「天使編」「神々との闘い編」に一応の決着をつけることが、「終わらせなければ、始まらない。」の真意だったの…

アニメ映画『伏 鉄砲娘の捕物帳』、見ようで見え方が変わるさま、万華鏡の如し

『伏 鉄砲娘の捕物帳』は、キャラクターの視点で見方が変わる作品。浜路で見れば恋物語。信乃で見れば孤独と狩られる運命との戦い。浜路と冥土のお祖父ちゃんを重ねれば、ジジコン娘の家族話。道節で見れば、お江戸浪人物語。色彩豊かなワンダーランド「江戸…

映画『ミッドナイト・イン・パリ』は「ここではない何処か」を探すタイムトラベル

先週、映画『ミッドナイト・イン・パリ』を観てきました。 ハリウッドで売れっ子の映画脚本家ギルは、小説家に転身したくて処女小説をこねくりまわす日々。裕福な両親を持つ婚約者のイネスは、脚本家としての成功を捨ててまで小説に固執するギルが理解できま…

『アーティスト』はレトロなのに新しい、美しい、映画史を語る映画

今期、絶対に見逃してはいけないと思っていた映画が『アーティスト』。今年2月に行われた第84回アカデミー賞授賞式で、作品賞・監督賞・主演男優賞・衣装デザイン賞・作曲賞の5部門受賞の快作です。 『ヒューゴの不思議な発明』が描いたのが映画初期史なら…

アニメ映画『ももへの手紙』は映像も物語も島が点在する瀬戸内ならではの作品

初監督作品『人狼 JIN-ROH』とは打って変わり、都会から瀬戸内の島に来た少女と妖怪たちの〝おつき合い〟をほのぼのタッチで描いた沖浦啓之監督のアニメ映画『ももへの手紙』。 細谷佳正さんは電話屋の役で、セリフは二言くらい。広島弁が画面にいい感じに溶…